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望まれた妊娠でも、後期中絶を選ばざるを得ないこともある。女性が伝えるメッセージ

「この決断をしたことで、私たちは、彼女を腕に抱き、お別れすることができました」

こちらの女性は写真家のリンゼイ・パラディソ。昨年、妊娠後期に中絶を受けた。望んだ妊娠だった。

Lindsey Paradiso / Via facebook.com

彼女は夫のマット(左)と米ヴァージニア州に暮らす。夫婦は生まれるはずだった赤ちゃんをオマラと名付けた。

2016年10月、リンゼイは妊娠23週目での「後期中絶」をした自身の経験について投稿した。この投稿は10万回以上シェアされ、話題になった。

Facebook: lindsey.shaffer

これは、望まれていた妊娠を終わらせる中絶でした。

後期中絶でした。
中絶はしたくありませんでした。
「逃げ道」ではありません。
避妊でもありません。
胸が張り裂けそうでした
国は、私の決断には何の関係もありません。
#debatenight.
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更新:私たちが中絶を選択したことについて、いくつかの誤った推測がなされたため、私は、この投稿に自分のブログ投稿を載せることにしました。こちらで、私たちの物語を、より詳しく知ることができます。http://lindseyparadiso.com/hope-for-omara/
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もう一つの更新:
マットと私がオマラに生きるチャンスを与えるべきだったと考えていて、ブログ記事を読む気がしないと思っている方々へ。

オマラは脳、肺や心臓に手術不能の腫瘍を持っていて、悪化の一途をたどっていました。生まれたとしても、生きられないくらいのレベルです。

合法中絶を待って、オマラが私の子宮の中で亡くなったとしたら、私は彼女の体を抱えたまま生きていかなければいけなかったでしょう(同時に、オマラは私の体内で少しずつ壊れていったでしょう)。

彼女の腫瘍の大きさを考えると、子宮内掻爬術やEXITの処置を受ける前に、そうなっていたでしょう。

私たちは妊娠を早く終わらせる選択をしました。そして、彼女自身と家族が経験していた苦しみを終わらせ、通常の分娩で彼女を産みました。

この決断をしたことで、私たちは、彼女を腕に抱き、お別れすることができました。

支援やシェアをしてくれたありがとうございます。私たちは誤解をなくしたいと考えています。

この投稿は、昨年に3回目の大統領候補者討論会でのトランプ氏の発言を聞いたことがきっかけだった。

トランプ氏が後期中絶は9カ月で子どもを引っ張り出すことだと言いました。その時、私は完全にパニックになり、激しく泣き始めました。そんなことを実際に考える人がいることが、信じられなかったのです。なので、私は自分の体験を共有し、誤解を解かなければならないと思いました」と、リンゼイはBuzzFeed Healthに語った。

2016年2月、妊娠18週目に入った時の超音波検診で赤ちゃんの首に腫瘤が見つかった。

facebook.com

超音波検査で、オマラの首に気泡のようなものが見つかった。医師は「テラトーマ」と呼ばれる珍しい腫瘍の可能性を示唆したが、MRI検査をするまでは詳しいことは分からなかった。

「医師からは、赤ちゃんの死は回避しにくく、中絶をするのが最善だと言われました。でも私たちの赤ちゃんを死なせたくはありませんでした。オマラに闘うチャンスをあげたかったのです」と、リンゼイは自身のブログに綴った。

妊娠27週目に入れば生育が可能になる。医師が腫瘍を手術できるよう、胎児を外科手術で出産するために27週目まで待つことにした。生きるための最大のチャンスを確保したはずだった。

「私たちはEXIT(Ex utero intrapartum treatment)によって、早い段階で彼女を出産しなければなりませんでした。EXITとは、より大がかりでリスクの大きい帝王切開です。彼女の腫瘍は非常に大きく、27週目になった頃には、膣を通っての出産ができないほどの大きさになると思われていたからです」と、リンゼイは語った。

EXITは今後の不妊のリスクを伴う。しかし、それがオマラの生存を意味するのなら、EXITを受けることも厭わなかったという。

3週間後、リンゼイはMRI検査を受け、最も恐れていたことが現実と知った。腫瘍は3倍の大きさに膨れ上がり、頭や胸、肺、目にまで広がっていたのだ。手術は不可能だった。

更なる意見を求め別の2つの病院を受診した後、リンゼイと夫はアメリカで最高レベルの小児病院、フィラデルフィア小児病院 (CHOP)の専門家にMRI検査を依頼した。

しかしMRI検査の結果からオマラの状態が悪化しており、腫瘍は彼女の脳の内部に広がっていることが分かった。「重度のリンパ管腫でした。今ごろはもう頭の3倍のサイズになり、99%の確率で致命的なものでした」と語った。

このタイミングで担当医は、EXITを受けられる妊娠27週目よりも前に、オマラが亡くなると予想した。子宮内掻爬術を受けるには、腫瘍が大きくなり過ぎるからだ。

Lindsey Paradiso / Via facebook.com

「オマラの生存のために、EXITで妊娠できなくなるというリスクをおかすことを選びました。でもその後、生育可能な段階になる前に亡くなるであろうことがわかりました。それなら、妊娠できなくなるリスクを侵すのは、私たちにとっては負担が大きすぎました」と、リンゼイは語った。

夫婦は致死薬を赤ちゃんに投与でき、その後に出産を人工的に行える場所を探した。「私たちが行っていた産婦人科がある病院でこの処置はできなかったので、1時間ほど離れたところへ行きました。 ヴァージニア州の多くの場所では規制が多く、私たちは運が良かったのです」と、リンゼイは話した。

「分娩には40時間かかりました。激痛に襲われ、体力が消耗しました。それでも、抱いてお別れを言うために産みたかったのです」と、リンゼイは言う。

Courtesy of Lindsey Paradiso / Via facebook.com

オマラの心臓は2月26日に鼓動を止め、2月28日に分娩が行われた。「非常に痛かったです。全てを覚えておけるよう、鎮痛剤は使いたくなかったのですが、12時間以上が経過した半ばごろに耐えられなくなり、硬膜外麻酔を投与しました。生まれた時は、体外離脱したような経験でした」とリンゼイは話した。

家族はオマラを埋葬することにし、彼女のための小さな葬儀を行った。

「彼女が生まれた時、腫瘍の大きさを目の当たりにし、私たちは衝撃を受けました」と、リンゼイは言う。

Meghann Chapman / Via lindseyparadiso.com

「詳しく言うと、彼女の腫瘍が確認できるこの写真 (上)を撮影した時には、既に乾いており、小さくなっていたのです」と、リンゼイは語った。

「もし中絶が(州政府によって)禁止されていれば、彼女をお腹の中に宿し続けざるを得なくなり、彼女を自分の腕の中で抱き抱えることはできなくなっただろうと思います」と、リンゼイは話した。

Lindsey Paradiso / Via facebook.com

この体験をして以降、彼女は後期中絶をした女性を支援する団体と、中絶する権利を擁護する団体、NARALに参加した。

「私は2つの女性の生殖に関する権利を守る法案を支援するため、先週リッチモンドで行われた州議会で証言しました。なぜなら、法制化に影響を与える最善の方法は、もし実施された場合、その法制化がどのように自分に影響を与えていたかの個人的な経験を話すことだからです」と、リンゼイは話した。

この記事は英語から翻訳されました。

BF Japan Newsに連絡する メールアドレス:mamiko.nakano+bfjapannews@buzzfeed.com.

Caroline Kee is a health writer for BuzzFeed News and is based in New York.

Caroline Keeに連絡する メールアドレス:caroline.kee@buzzfeed.com.

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