ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」で、女性の人身売買シーンが変更される。6月29日、ディズニーが発表した。性差別との批判が高まっていた。
「カリブの海賊」は1967年3月、米カリフォルニア州のディズニーランドにオープン。1966年に亡くなったウォルト・ディズニー氏が監修した最後のアトラクションとなった。
その後、ウォルト・ディズニー・ワールド(米フロリダ州)やディズニーランド・パーク(仏パリ)にも展開された。
今回刷新されるのは、女性たちがオークションにかけられるシーン。いまは横断幕「オークション 娘っ子を花嫁に」がかかり、縄で縛られた女性たちが並ばされている。先頭に並ぶのは赤毛の女性で、「あの赤毛が欲しい」という海賊の声が流れる。
これが、横断幕「オークション 戦利品を引き渡せ」に変わる。町の人たちが降伏し、宝石、絵画、家具など貴重品を持って並ぶシーンとなる。ディズニーランドリゾートがBuzzFeed Newsに下絵を提供した。
縛られた女性たちの先頭にいる背の高い赤毛の女性は、銃を持った海賊となって再現される。
「このシーンをどうやって最高のものに刷新するか、チームは時間をかけ、一生懸命に考えました」。ウォルト・ディズニー・イマジニアリング社の担当者キャシー・マンガム氏は声明を出した。
「赤毛の女性はファンに長く人気があったので、話の中心人物として残したかった。そこで略奪する海賊に変身させました!」
新しいシーンは7月24日、ディズニーランド・パーク(仏パリ)で披露される。アメリカの2ヶ所も2018年に刷新する。
度重なる改良
ディズニーが人気アトラクション「カリブの海賊」に手を入れるのは初めてではない。
ジョニー・デップ主演の映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の元となったアトラクションで、映画に登場するキャラクターが足された。
女性の描写も度々変えている。海賊が女性をバルコニーに追い詰める場面は、反対に女性が海賊を追い払う場面に。海賊が女性を襲う場面は、女性に食べ物を持たせ、女性自身ではなく、その食料を奪おうとしているように見せた。
ウォルト・ディズニー氏と長年ともに仕事をし、各地のテーマパークを作ってきたマーティ・スクラー氏(83歳)は声明で、パークをデザインし建てる職業「イマジニア」("イマジネーション"と"エンジニアリング"の複合語)の仕事をこう表した。
「このイマジニアたちはウォルトがディズニーランドを開いた日に始めたことを反映しているに過ぎません。それはゲストのためにワクワクする新しい経験を生むようなチェンジを加えることです」
「改良、改善されなかったようなアトラクションは一つもなかったと思います。何度も繰り返すこともありました。チェンジはディズニーランドの『伝統』なんです。それを今日のイマジニアたちも実践しているのです」
「ディズニーパークの紡ぐ物語の素晴らしさを、カリブの海賊はずっと象徴してきました。半世紀にわたり、テーマパーク産業のお手本となってきたのです。でも、その物語には楽しさが加わり続けます。新しい『演技』をする素晴らしいキャラクターたちを加えて。これこそがこの新しいオークションのシーンでイマジニアたちが成し遂げることなんです。まるで新しい演技が加わる劇場のショーのように」
東京ディズニーランドは「未定」
実は、女性人身売買のシーンは、東京ディズニーランドの「カリブの海賊」にも登場する。
だが、運営するオリエンタルランド広報はBuzzFeed Newsの取材に刷新するかは「現時点では未定」と答えた。
ネットの反応
「カリブの海賊」の刷新について、ツイッター上では賛否両論が集まった。
「海賊は悪いヤツらだってのが、アトラクションのキモだったよね」
「なぜ伝統ある作品をぐちゃぐちゃにするんだ??? PCのやりすぎ」
「アトラクションの最後で、海賊は町を燃やすことはなくなるでしょう。 代わりに、木を植え、リサイクル運動に参加するでしょう」
批判を批判する人。
「カリブの海賊のアトラクションから人身売買を除くことに怒っているなら、プライオリティーが間違ってるんじゃない」
ディズニーの判断に理解を示す人。
「壊血病、赤痢、ロープから落ちて死ぬ海賊は登場しないよね。テーマパークでは『楽しく』ないから」「だから、自問するべき:レイプ、性的搾取の人身取引、体の特徴をちょっとからかうことを称揚するシーンを残すことは大切なのか?」
この記事は英語から編集しました。