透けたボレロをまとったエマ・ワトソン。胸の一部をあらわにしたその写真がソーシャルメディアで物議を醸している。
雑誌Vanity Fair3月号の写真だ。
エマは、ディズニーの実写映画「美女と野獣」で、主役ベルを演じている。日本でも4月21日に公開される。
英紙サンは「美女とおっぱい」という見出しをつけて、この写真をからかった。「野獣」(ビースト)と「おっぱい」(ブレスト)をかけている。
若い女の子たちが抑圧されることなく活躍できる社会をつくるために活動しているエマ。男女同権を訴えるフェミニストであり、国連「UN Women」親善大使も務めている。
なので、胸をあらわにした写真が、男性の目を喜ばせたいだけの女性を蔑視するポーズだと批判された。
Twitter上ではトランプ大統領に劣らない話題をさらった。
エマは偽善者だと批判するツイート。「女性が性欲の対象として見られる存在になっていることを訴えながら、自分の仕事で自らを性欲の対象とする。偽善」「フェミニズム、フェミニズム・・・男女の賃金格差・・・なんで、ああ、なんでみんな私の話を真剣に聞いてくれないの・・・フェミニズム・・・ああ、じゃあ私のおっぱいならどう!」
反対にエマを擁護するツイートも。身体を使って好きなように自己表現するのは、反フェミニストではないと主張する。「フェミニズムは👏自由な👏選択👏のこと」
有名なユーチューバーのハンナ・クランストンさんは、騒ぎを受けて、ハフィントンポストに寄稿。エマが男女同権を訴えつつ、セミヌード写真を撮ったことを批判する社会に違和感を訴えた。「2017年になってもまだ私たちの社会は、女性がセクシュアルに自己表現し、かつ、平等を求める、その両方をすることを許さない」
エマがセミヌード写真を撮ったのは、自らの意志だったのか、それとも男性目線を意識して媚びた行為だったのか。ケンブリッジ大に通うブロガーのビバ・カンさんは英紙インディペンデントに、エマのセミヌード写真から社会を分析するコラムを寄せた。
自らの欲望はある。だが、自分の欲望だと思っていても、実は社会が女性に対して、持つべきだと強制してきた欲望を内面化しただけかもしれない。この二つを「はっきり分けるのは難しいことが多い。女性であることつまらない側面の一つ」とカンさん。
エマは、偽善者なのか、フェミニストなのか。エマの表現は、強いられたのか、意志だったのか。
エマ本人はどう話したのか。「わたしのおっぱいと何の関係があるのか分からない。とっても困惑しています」「フェミニズムとは女性に選択肢を持ってもらうこと」「自由、解放、平等です」
この記事は英語から翻訳・編集しました。