
大前提として、夫は「良いパパ」です。


「ねえ、このバッグは持っていくの?」

「メルシーポットってなに?」

「俺、お腹すいてないわ」

「保育園に預ける時間、変更しといて」

「え、育休? 有給休暇でよくない?」

夫が育休を取らなかった代償


わが家は、私と夫、そして4歳と1歳の娘がいる4人家族。
夫は子どもが大好きです。
毎日仕事が終われば子どもと遊び、休日はたいてい子どもを連れて遊びに出かけます。
子どもをお風呂に入れてくれるし、おむつ替えも自主的にやってくれる。
そんなパパを子どもたちは大好きです。もちろん私も。
………ただ、言いたいことがあるんです。
育児って、やることがてんこ盛りじゃないですか。
食事にお風呂、夜泣き対応もあれば、毎晩おもちゃの片付けもある。
どんどんサイズアウトする服の買い足し、予防接種のスケジューリング、保活に入園準備、園のプリント整理に、イベントや提出物の管理。
さらにはファミリーサポートや病児保育に登録したり、習い事をリサーチしたりと暇がありません。
それを夫はわかってない。
夫の“育児”はあまりに狭い。
その事実が露呈する衝撃発言を聞いてください。
子どもたちを園の送るのは夫の担当。毎朝夫が子どもたちに荷物を持たせ、夫が自転車で送ります。
毎朝です。毎朝やってるんです。
それなのに毎朝のように聞かれます。
「このバッグは持っていくの?」
「今日はお弁当いらないんだっけ?」
「この帽子って必要?」
いやいや、毎朝やってれば園にもっていく荷物くらいわかるでしょうよ。
でも夫はわからない。
だって覚える気がないから。
自分のタスクだと思っていないから。ただ送り届けることだけをタスクだと思っているから。
こんなの育児してるって言えます?
つい先日、こう聞かれて衝撃が走りました。
「メルシーポット」というのは電動の鼻水吸引器。小さなお子さんのいる家庭で人気の商品です。
娘たちが年がら年中鼻水を垂らしているので、私は何度も購入を検討してきました。先日は実物をレンタルし、自宅で1週間お試しまでしたんです。
それでも夫はメルシーポットを知りません。
だって一日中子どもの鼻を拭き続ける苦労を知らないから。
レンタルしたメルシーポットに興味すらもたなかったから。
いやいや、あんなに説明したじゃないか!
とある休日、家族でドライブしていたとき「夕食どうしようか」と私が尋ねたときに言われたセリフです。
いや、別に、ごく普通の返答なんですけど。
でも私は驚きました。
だってこの日、子どもたちは昼食をほとんど食べず、お腹が空いているだろう状況だったんです。だから私は「子どもが食事できる場所はどこか」ということばかり考えていたんです。
子どもが産まれてからというもの、私は食事や睡眠を子どものリズムに合わせて生活してきたように思います。
そうしないと子どもが機嫌を損ねたり癇癪を起こしたり、かえって大変な状況を招くからです。
でも夫はそうじゃない。食事は自分が食べたいときにするものでした。
そうか、君はまだその世界線を生きていたのか……。
次女はいま、東京都の認証保育園に通っています。契約時間は8時から16時まで。この時間ならいつでも預けられるという契約です。
ある日、夫がその契約時間を10分早めたいと言いました。そのためには保育園に変更届けを提出しなければなりません。
私「わかった、保育園に伝えて」
夫「え、どういうこと?」
私「保育園に言えば変更届けをもらえるから。そこに時間を記入して提出するだけだよ」
夫「やっといてよ」
私「……なんで私が?」
毎朝娘を保育園に送り届けているのだから、そのタイミングで申告すれば済むはず。
それなのに当然私が手続きするものだと思っているようです。
だって夫は、保育園との契約に関与したことがないから。
保育園を見学したのも、面談したのも、入園時の契約書にサインをしたのも、ぜんぶ私だから。
いやいや、変更届けくらい書いてくれよ。
長女が3歳を迎えるころ、2人目を妊娠していることがわかりました。
長女のときは里帰り出産をしたので、夫は新生児期にあまり立ち会えませんでした。2人目こそは最初から育児に関わってほしい、そんな思いで育児休業の取得を打診すると、夫にこう言われたんです。
「え、育休? 1週間くらい有給休暇でよくない? 収入減るじゃん」
たしかに家計は住宅ローンや車のローンでカッツカツ。私の収入は育休で約2割減、さらに夫の収入まで減ったら大きな痛手です。
それに夫には有給がたくさん残っている。
実家も義実家も家が近く、日替わりで手伝いにきてくれると言っている。
結局、夫は育休を取らない選択をしました。有給を取ったのは出産当日と翌日の2日だけ。
幸い両実家が協力的だったので困ることはなかったのですが。
………が。
夫の育児が狭すぎる現状をみると、夫には育休が必要だったのではと思ってしまうわけです。
この4年間半、育児の主導権は私が握り続けてきました。
子どもを公園に連れていくという一見単純なタスクでも、夫は、子どもに上着を着せるべきか私に判断を仰ぎ、上着がどこにあるのかと私に尋ねます。
なにかと私に決裁を求めてしまう、これが育休を取らなかった代償かもしれません。
今後は、育休という形は叶わなくとも、夫が育児の主導権を握れる時間をつくっていきたいものです。
BuzzFeedは国際男性デーにあわせ、withnewsやGLOBE+とともに男性育休を考える記事を配信します。特集ページはこちら。
withnews:「同じ境遇を知るだけで安心」パパ友コミュニティー作った父親の思い
GLOBE+:ジェンダー平等とその先へ 「男性育休」は最適ルートだ