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「教科書では教えてくれない貴重なお話」孫が祖母の話を投稿、300万回以上再生される

とても現代っぽい、戦争のお話の継承方法です。多くの人に聞いてほしいお話です。

「ねぇ、おばあちゃんが戦争の話で、覚えてることってある?」

あるおばあちゃんの戦時中の体験談が、とても貴重だと思ったので紹介させてください。

2021年9月、孫のyoshinoさんが「戦争」をテーマに、おばあちゃんの昔話を聞く様子を撮影し、3つの動画をTikTokに投稿しました。

動画は計300万回以上再生され、13万7千を超える「いいね」が集まりました。

「教科書では教えてくれない、とても貴重なお話をありがとうございます」「こうやって話してくださる方がいることで、私たちが学べることってたくさんありますよね」と、お話を聞けることに感謝する声が寄せられました。

その動画がこちら

「戦時中に学校では…」

「戦争の話で、何か覚えていることある?」というお孫さんの質問に、「食べ物もなかったよ」と食糧不足だったことをまず教えてくれます。

そして、「んで学校行くは行った」と続けます。

学校には通っていたけれど、勉強はせず、「隠れる稽古」ばかりをしていたなどと戦時中の日常生活を思い出しながら語ってくれます。

動画は続きます。

「戦時中に食べたもの」

こちらは、戦時中にどんな食事をしていたのかという疑問に答えてくれる動画です。

おばあちゃんは家が農家だったこともあり、「大根・かぼちゃ・さつまいも」などの野菜を食べていました。ご飯はお米少しに「麦」を混ぜて炊き、食べていたんだそう。

法律によって農作物の割当量を政府に売り渡す「供出」があったり、買い物にくるお客さんがいたりしたため、農家でも裕福に食べられていたわけではないというリアルなお話も。

買い物に来る人にお金がないと、「着物を持ってきて(野菜と)物々交換していた」という話は、若い世代には考えられない状況ですよね。

「戦争へ行く兵隊さんに」

「夜中でもウーウーウーと警報が鳴る」「電気なんか夜はつけたらいかん」など、安心して夜を過ごせていなかったことが伝わります。

兵士が家を訪れた時には、ご飯を食べさせたり家に泊めたりし、もてなしたこともあったんだそう。

戦時中の日常を、SNSを通して知ることができるのは、とてもありがたいことではないでしょうか。

BuzzFeedは、孫のyoshinoさんにお話を聞きました。

ーーSNSに、おばあちゃんとの動画を投稿し始めた経緯を教えてください。

家庭環境が複雑なこともあり、数年前から祖父母と過ごす時間が増えました。

そんな中、今の祖父母を記録できるのは私しかいないと思い立って、スマホで撮影を始めました。気付けばカメラロールは祖父母がたくさん。

動画編集の勉強として、なんとなく祖母の動画を編集して、TikTokへ投稿しました。

その動画への反響が大きく、投稿を続けることにしました。

ーー日常を思い出として、動画に残されているんですね。そんな日常の中で、よくおばあちゃんから戦時中のお話を聞いていたのですか?

日常会話の中で、よく過去の色々な話を聞きます。その1つとして戦時中の話もよく聞いていました。

ーーそうなんですね。おばあ様からのお話を聞いて、何か思うことがあれば、ぜひお聞かせください。

実際に祖母が話していることが、この日本で起きていたと思うと「信じられない」というのが率直な感想です。

「もう2度とあんなことは起こってほしくない!」と繰り返す祖母の言葉は、いつも強く印象に残っています。

ーーそんなおばあちゃんの訴えを発信することは、yoshinoさんにとって、どのような意義があるのでしょうか?

ずっと祖母との日常を投稿していたので、正直なところ「戦時中の話を投稿する」と、特別に意識することはありませんでした。

それくらい、私と祖母の間で自然に出てくる会話のひとつでした。

初めて戦時中の話(戦時中に祖母が兄に手を引かれて焼夷弾から逃げて川へ向かった話)を投稿した際に、「また戦争の話を聞きたい」という声が多かったため、その後も戦時中の話を投稿することにしました。

ーー動画には、たくさんの感謝する声が寄せられていましたね。それをどう受け止めていますか?

私の場合は、祖父母や周りの高齢者の方から、戦時中の話を聞く機会が頻繁にありました。

しかし、コメント欄を見ると「戦争経験者の方と話したことがないので、話を聞けて良かった」という声が複数見受けられました。

そういった方々に、SNSを通して伝えられたので、投稿して良かったと思っています。

ーー最後に、戦時中のお話をSNSに投稿することを、おばあちゃん自身はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか? おばあちゃんの心境を、ぜひ教えてください。

「今はお金があれば何でも手に入る時代だけど、飴玉1つも手に入らない時代があった」

「そういう時代があったということを忘れてはいけないし、どの国でも2度と起きてほしくないということが伝われば嬉しい」と言っていました。

SNSとおばあちゃん

孫のyoshinoさんは、お仕事の空き時間にSNSの更新をしています。

初めは3つだった戦争関連の動画は、今では9つもあり、TikTok上では全てをまとめたプレイリストも作成されています。

戦争のお話はとても貴重なので、ぜひご覧になってください!

また、TikTokInstagramなど様々なSNSで、おばあちゃんの戦時中のお話だけでなく、日常の様子を見ることができますよ〜😊