国語辞典は個性の塊!? 大学生が教える辞書の魅力に興味しかわかん!

    私も国語辞典の読み比べしたい!

    国語辞典好きが話題です。

    日本語学を専攻する大学4年生のんちゅたぐいさん(@iwanttobeJinrui)が、Twitterに小学6年生のときに書いた卒業文集から10年後の姿の写真を投稿したところ、1万6千回以上リツイートされ、15万4千を超える「いいね」が集まりました。

    んちゅたぐいさんは、この投稿がきっかけで新明解国語辞典の初版をTwitterユーザーから譲ってもらい、小学6年生のときに書いた卒業文集の「新明解を全版集める」という夢を叶えたんです(記事)。

    BuzzFeedはんちゅたぐいさんに、辞書の読み比べの面白さを聞きました!

    「『左』『赤』『時間』など一言では説明できないような語を引き比べると、各国語辞典で捉え方が異なることがわかり興味深いです」

    「読み比べる中で『自分だったらどう説明しよう?』『自分の考えに近い辞書はどれだろう』と考えるのも面白いです」

    なるほど、辞典にも個性があるんですね。

    自分自身の考えと照らし合わせるのも楽しそう!

    実際に辞典を読み比べてみた感想は?

    例えば、「左」という言葉。んちゅたぐいさんが、様々な辞書で引いてくれました。

    新明解国語辞典(八版)

    ・アナログ時計の文字盤に向かった時に、七時から十一時までの表示の有る側

    ・「明」という 漢字の「日」が書かれている側と一致

    ・人の背骨の中心線と鼻の先端とを含む平面で空間を二つの部分に分けた時に、大部分の人の場合、心臓の博動を感じる場所が有る方の部分

    岩波国語辞典(八版)

    ・東を向いた時、北の方

    ・この辞典を開いて読む時、奇数ページのある側

    明鏡国語辞典(三版)

    ・人体を対称線に沿って二分したとき、心臓のある方

    ・話し手が北を向いたとき西に当たる方

    3つの国語辞典で「左」を調べてみて…。

    「岩波国語辞典の『奇数ページ』を用いた解説や、新明解国語辞典の『明』という漢字を用いた解説が、すぐに左の方向を確認することができるためわかりやすいと感じました」

    また新明解国語辞典と明鏡国語辞典の『心臓』を用いた解説については、

    「実感を伴う解説であり面白いと思いましたが、中心に近い場所にあるということもあり、心臓の動きに左右を感じられない人もいるのではないか」と、人によっては伝わりにくい表現になると分析します。

    かなり難しいんです…

    んちゅたぐいさんは、三浦しをんさんの小説『舟を編む』の序盤に、「きみは『右』を説明しろと言われたら、どうする?」と聞かれた主人公が考え込むシーンを例に、

    「相対的なものを誰にでもわかるように解説するのは難しい、ということが各辞書の解説からわかります」

    と、言葉を説明する難しさを語ります。

    確かに「左」「赤」「時間」などの意味を説明しろと言われても、なんと表現していいのかすぐにパッと思いつかない💧                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 

    それに、不特定多数の人が、その説明で理解してくれるだろうか、と考えると辞書の解説の難しさが伝わります。

    国語辞典って、おもしろい

    正直、国語辞典は「読む」ものではなく「調べる」ためのものだと思っていました。

    ですが、「左」の説明を読んだだけでも、それぞれの辞書の個性が垣間見え、「なんだこれ…面白いじゃないか〜」と、国語辞典の魅力に気づかされた気がします!

    んちゅたぐいさんは、自身の投稿に大きな反響があったのは「国語辞典が普段から注目されておらず、国語辞典を読むという行為が珍しかったからではないかと」思っており、

    「この投稿をきっかけに国語辞典に注目する人が増え、面白さを広めることができたら嬉しいです」と希望を語っています。

    <サムネイル:んちゅたぐいさんTwitterより>