2013年にニュージーランドの議会で行われた「ビッグ・ゲイ・レインボー演説」が再び、日本のSNS上で話題を呼んでいます。
モーリス・ウィリアムソン議員(当時)が、同性婚を認める法案に賛成を訴える演説でした。
5月20日、与党・自民党でLGBTなど性的マイノリティーに対する理解増進に向けた法案の審査が行われました。しかし、様々な理由で法案に反対する議員が多く、議論はまとまりませんでした。中には「道徳的にLGBTは認められない」と発言した出席者もいると報じられています。
こうした政治の動きをうけて、ウィリアムソン元議員の演説が国内で改めて注目されるようになり、趣旨に賛同する人々から「あらためてRT(リツイート)します」と演説の動画などをSNSで拡散する動きが出ています。
演説の動画には「すばらしいスピーチ👏」「この動画見て、自然と涙が溢れてきた😭」「こんなにユーモラスに言ってもらえると、なんだかほっとします」といったコメントが寄せられています。
では、そもそも「ビッグ・ゲイ・レインボー」演説ってなんのこと?
疑問に思っている方、演説の内容を紹介させてください。

それは、こんな演説でした。
私の地元選挙区の聖職者は、「この法案が可決された日には、ゲイが猛襲してくる」と言いました。私たちはその「ゲイの猛襲」がどんな感じなのか、全く想像がつきません。それは、軍隊がパカランガ高速道路を攻めてくるようなものなのか、あるいは私たちを選挙区に閉じ込めてしまうようなガスを撒き散らすのか、分からないのです。
あるカトリックの司祭は、私が不自然的な行為を支持していると言いました。一生禁欲の独身主義を誓った人がそんなこと言っているなんて、興味深いと思いました。独身の誓い…私はやったことがないから、それがなんだか全く分かりません。
さらには、私が地獄の火で永遠に焼かれると言った人もいましたが、それは大きな間違いです。私は物理学の学位を持っています。自分の体重と水分量などを熱力学の式で計算しました。地獄の火が5000度だと仮定すると、私はたったの2.1秒で灰になってしまうことになる。これでは永遠なんて言えない。そうじゃないでしょうか?
他にも、養子縁組についての嫌味な主張も聞きました。私には素晴らしい養子が3人います。私は養子を受け入れることがどれだけいいことかよく知っていますから、いくつかの意見が酷いものであることも知っています。いじめも本当にひどいもんですよ。私は小学生の時に、いじめっ子を怖がることをやめました。
しかしながら、反対意見の多くは、この法案が我々の社会にどう影響するかを心配している節度のある人たちからのものでした。彼らの懸念や心配を尊重します。彼らはこの法案が、自分の家族にどんな影響があるかといったことを、とても心配しているのです。
そんな人々に向けて、繰り返させてください。私たちはこの法案を通して、愛し合う2人の愛を、結婚というかたちで認める。ただそれだけです。私たちは、外国と核戦争を始めるのでも、農業を脅かすウイルスを撒き散らかそうとしているのでもないのです。
私たちは、愛し合う2人の結婚を承認するのです。それのどこが悪いというのか、私には全く分かりません。どうしてこれに反対するのか、私には理解できません。他人がすることが気に食わない事は、誰にだってあります。でもそれはみんな同じだから、別にいいんです。
しかし、今この法案に反対している人に約束します。水も漏らさぬ約束を。
太陽は明日も登ります。あなたのティーンエイジャーの娘さんは、全てを知ったような態度で反抗するでしょう。明日急に住宅ローンが増えることはありません。突然に皮膚病を患うこともなければ、湿疹もできないし、ベッドの中からカエルが出てくることもありません。ただいつも通りの日常が続くのです。
だから、あまり大騒ぎしないでください。この法案は、関係のある人にとっては素晴らしいものです。一方、そうでない人にとっては、いつも通りの生活が続くだけなのです。
最後に、この法案が干ばつの原因になってるというメッセージに言及させてください。もし私のTwitterをフォローしていたらわかると思いますが、今朝パクランガでは雨が降っていたんです。そこには、私たちが今までに見たことのないような、とても大きな虹「ゲイ・レインボー」がかかっていたんです。これはサインに違いありません。あなたが信じるなら、これは確かに何かのしるしなのです。
この法案に関係する全ての人に向けて、聖書からの引用で締め括ります。申命記(デュトロノミー)はミュージカル『キャッツ』のネコかと思っていたのだが…それは置いといて。申命記1章29節からご紹介します。
「懼(おそ)るることなかれ」。
これがウイリアムソンさんが語る「ゲイ・レインボー」🌈
A photo taken from my Electorate Office this morning. A Gay Rainbow? A Sign none the less. All iswell with the world
8年たった今…
ウィリアムソンさんが演説をして8年。彼のTwitter(@williamson_nz)には最近、こんなことが書いてありました。
日本人のフォロワーが沢山だ!私の2013年の議会での同性婚演説を気に入ってくれたようだ。面白いことに、同性婚に当時、反対していた議員たちは、今では賛成している。そして、当時から賛成している人は、その意見をずっと変えていないんだ。
2021年5月21日
あの大きな虹が何かのしるしだったことは、間違いなさそうです。