労働環境が問題視されている格安ブランド「SHEIN」。インフルエンサーによる工場内部のリポートが炎上「こんなの誰も信じない」

    従業員の劣悪な労働環境が報じられ、問題視されている中国のオンラインブランド「SHEIN」。現地の工場に招待されたインフルエンサーが、内部の様子を肯定的にSNSで伝えたことで炎上し、のちに釈明の動画を投稿する事態になった。

    世界で爆発的な人気を誇る、中国のオンラインブランド「SHEIN」。低価格で、豊富なラインナップが特徴だ。

    そんなSHEINをめぐって、インフルエンサーが投稿したある動画が炎上している。

    Twitter: @thisisnefertiti

    プラスサイズモデルのダニ・カルボナリさんは、プラスサイズファッションや女性の自信を引き出す方法などをSNSで発信しているインフルエンサーだ。

    動画でダニさんはこう述べている。

    その後、ダニさんが従業員にインタビューする様子が映っている。

    ダニさんと同じツアーに参加した他のインフルエンサーたちも、工場内部の様子を動画におさめ、SHEINに関する噂に従業員は驚いていたと発言した。

    しかし、SNSではそんなインフルエンサーたちに向け、非難の声が。

    「こんなの、誰も信じない」

    「(インフルエンサーたちが)嘘をついてお金をもらっているのがいちばん気に入らない」

    「SHEINは、私たちが間違っているのではと思わせようとしている」

    「工場見学のためにモラルを捨てるなんて、すてき〜」とダニさんを皮肉るコメントも。

    SHEINについて、世界中でさまざまな報告がされている。

    イギリスの公共テレビチャンネルChannel4のドキュメンタリー「Inside the Shein Machine: UNTOLD」では、工場内に設置した隠しカメラから、従業員たちが17時間勤務を強いられ、平均賃金は日給約3300円であることがわかったという。

    製品にミスがあった場合、賃金が日給約2200円に下げられることもあったそうだ。

    ダニさんはその後、インスタグラムのライブ配信で「ブランドに関する下調べをもっとするべきだった」と述べた。

    工場見学については、こう話した。

    「SHEINとパートナーシップを組むにあたって、現地の工場を自分の目で見たいと思いました。宿泊費・交通費以外は支給されませんでした」

    「見学したときは、施設に違和感を感じなかったし、数日で建てられたようにも見えませんでした。でも、今考えてみると…。今は頭がいっぱいいっぱい」

    その翌日、ダニさんは動画をもう1本投稿した。

    「最初にみなさんにはっきり伝えたい。今後、SHEINと一切関係を持ちません。大きな過ちを犯しました。みなさんを間違ったほうへ誘導してしまったと、今は認識しています」

    「数週間、休みをとります。自分を振り返り、安定を取り戻します。戻る頃には、より良く、より強く、みなさんのために戦える存在になりたい。プラスサイズの人たちのために、より良いパイオニアになれるよう努めます」

    SHEINの代表者はBuzzFeedの取材にこう述べた。

    「SHEINは、透明性を重視しています。今回の工場見学は、さまざまなフィードバック耳を傾けて実施に至りました。インフルエンサーたちに生産の中心となっているイノベーションセンターを見てもらい、その感想をフォロワーにシェアしてもらうのが目的です」

    「(見学に参加した)インフルエンサーたちのアカウントや投稿の内容に嘘偽りはありません。私たちは、彼らの視点や体験談を尊重し、支持します」

    「今後も、オンデマンド・ビジネス・モデル(顧客の要求に迅速に対応できるサービス)と運営に関する透明性を、さらに高めていきます」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。  翻訳:アシュウェル英玲奈