米ミネソタ州議会の公聴会で、ある男性議員の“言い間違え”が、「女性蔑視」だとして波紋を呼んでいる。
3月6日(現地時間)、上院労働委員会の公聴会が行なわれ、米デルタ航空のパイロットであるローラ・ヘイナー氏が、 国際航空パイロット協会(ALPA)を代表して登壇した。
ヘイナー氏は、同州が定める「有給病欠・安全時間確保(earned sick and safe time =ESST)法」を修正する法案について語った。
ESST法とは、2024年1月1日からミネソタ州で施行された新しい労働法のこと。
雇用主は、ミネソタ州で働くすべての従業員に対し「30時間労働するごとに、少なくとも1時間の有給病欠・安全時間を与えなければならない」と定められた。
米FOXニュースによれば、ミネソタ州ではこれまで、有給病気休暇を定める法律が存在しなかったという。
同州のWebサイトの発表では、同法は労働委員会での審議を経て、3月14日に改正。同法を適用していなかった雇用主へは厳しい罰則が科せられる。
公聴会で、ヘイナー氏は「ミネソタ州在住で、ミネアポリス(同州最大の都市)が拠点のデルタ航空のパイロットです」と自己紹介をした。
その直後、同州の上院議員を務めるジーン・ドーニンク氏が質問した。
以下は、そのときのヘイナー氏とのやり取りを書き起こしたものである。
ドーニンク氏:「『スチュワーデス』の1週間の主な仕事内容を教えてください」
ヘイナー氏:「私はデルタ航空の副操縦士ですけど…」
ドーニンク氏:「なんて?」
ヘイナー氏:「私はパイロットです」
ドーニンク氏:「ごめんなさい、申し訳ない。自分でもなんでそう言ったのかわからない。ごめんなさいね」
周囲から指摘を受けたドーニンク氏は、言い間違えに対し、笑顔を見せながら謝罪した。
その後、ヘイナー氏のなんとも言えない表情が映し出されている。
ドーニンク氏の言い間違えは、無意識のうちにしてしまう、女性に対する偏見や思い込みだとして、批判の声が集まっている。
💬「信じられない…」
💬「『自分でもなんでそう言ったのかわからない』ですか…」
「それは、あなたが性差別主義者だから、頭が1950年代で止まっているからではないですか?」
💬「女性が『副操縦士です』と言って『もう一度言って?』と返したのが、彼の真意なんだと思う」
💬「多くの女性医師が、心底感じていることです」
💬「客室乗務員を『スチュワーデス』と呼ぶのもやめるべき。『パイロット=男性』っていう固定観念も、もちろんダメですけどね」
💬「悲しいことに、ステレオタイプはこうしてまだ存在しています」
ドーニンク氏は、州上院議員として2020年に初当選。2022年に再選し、現在2期目を務めている。
米複数メディアは、ドーニンク氏への事実確認を試みたが、現在もドーニンク氏側からコメントはないという。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙島海人