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ものを捨てるのが後ろめたいと感じたら...今年こそ、ごみを出さない大掃除をしてみませんか

自分にとってはごみでも、誰かにとっては必要なものかもしれないーー。フリマアプリ「メルカリ」と中古本販売の「ブックオフ」、家事支援サービス「カジタク」の3社が「捨てない大掃除」を提案しています。

もうすぐ年末の大掃除。家にたくさん眠っている不要品は、捨てるしかないのでしょうか。

フリマアプリ「メルカリ」と中古本販売の「ブックオフ」、家事支援サービス「カジタク」の3社が「捨てない大掃除」を提案しています。

不要品は一世帯あたり約70万円分

メルカリが2017年に実施した「大掃除と断捨離」に関する意識調査では、不要品を「自分でゴミとして処分」している人が約9割でした。

一方、2018年のインターネット調査によると、家庭で1年以上使用されていない不要品について、メルカリでの平均売買価格をかけあわせて試算したところ、一世帯あたり約70万円分に。日本全国では推計約37兆円の「隠れ資産」があるという分析になりました。

自分にとってはごみでも、誰かにとっては役に立つものもあるかもしれません。

こうした不要品をただ捨てるというのではなく、もう一度、社会に流通させるための方法として3社が提案しているのが、「捨てない大掃除プラン」です。

片付け方のアドバイスも

このプランではまず、カジタクの整理収納アドバイザーが2人1組で訪問し、利用者にヒアリングしたうえで、片付けのアドバイスやサポートをします。

片付けながら必要なものと不要なものを仕分けしたら、不要品についてはメルカリへの出品を指南したり、ブックオフの宅配買取の依頼をサポートしたりします。

これなら、片付けが苦手な人、中古品の売り方がよくわからない人でも、「面倒だから捨てるしかないか」とあきらめないで済みそうです。

このサービスは2021年1月31日まで、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府のみで利用できます。基本料金は1万9800円で、2人の作業員が2時間かけて、ヒアリング、仕分け、収納、出品や買取のサポートをします。

また、メルカリは12月8日、商品を出品してから売れるまで倉庫で保管し、売れたら梱包や発送を代行する「あとよろメルカリ便」もスタート。

梱包や発送の手数料、商品が売れなかった場合の返送料はかかりますが、部屋のものを今すぐ減らしたい!という人にはうれしいサービスです。

在宅で大掃除にも気合いが入る?

メルカリジャパンCEOの田面木宏尚さんは、「今年の大掃除シーズンは、在宅する時間が長くなり、片付けにより時間をかけることによって、ごみとして処分される不要品がより増えてしまうのではないか」と危惧します。

「『捨てる』以外の選択肢が増えることで、ものを再利用し、限りある資源を有効に使える循環型社会の実現を目指したい」(田面木さん)

「カジタク」を展開するアクティア取締役で営業統括部長の城戸香織さんによると、同社の「片付け名人プラン」の受注件数は前年と比ベて10〜20%増となっており、「新型コロナウイルスで在宅の時間が増え、自宅で快適に過ごしたいという人が増えているのではないか」といいます。

家事支援サービスを展開するうえで、処分するという判断に罪悪感や喪失感を感じる人は少なくないと実感しているそうです。

「捨てるくらいなら手元においておきたい、と『保留』を判断する人もおり、『捨てる』以外の選択肢を増やすことが課題でした」

また、ブックオフグループホールディングス取締役の森葉子さんも、2020年4月に全都道府県に緊急事態宣言が出たあと、宅配買取の申し込み件数が前年同期比107%になったと報告。

「誰かにとって不要になったものは、誰かにとって必要なものになると店舗やECサイトを通じて実感しています。もっとリユースを促進できれば、ごみの廃棄量が減り、ものの寿命が延び、サステナブルな社会の実現に近づくのではないでしょうか」

「窮屈に我慢するのではなく、日々を楽しく暮らしていくうえで、売ったり買ったりすることによって、サステナブルな社会づくり自分も参画しているのだと実感してもらえたら」

このほかにも、ワコールは、古くなったブラジャーを回収して生活雑貨の素材に再生するリサイクルキャンペーンを実施中。ユニクロも、店舗の回収ボックスで商品を回収し、リユースまたはリサイクルをしています。