世の中には「名もなき家事」がたくさんあります。
今回、「名もなき家事」に名前をつけたのが、このおふたり。
ここで質問です!
なぜ、名もなき家事に名前をつけようと思ったの?
企画は、梅田さんの育休中の経験と、編集者の淡路さんの反省から生まれました。
梅田さんは2016年、長男の誕生を機に、4カ月半の育児休業を取得しました。
「育児本やネットの情報を頼りにしても、思い通りにいかないことばかり。ひとり暮らしの経験はありましたが、家族3人となると、もっと家事の解像度を高くして細かいところまで見なければなりません」
「すると、朝から晩まで家事をしても回らなくなるわけです。やり方を考えなければいけない、と気づきました」
妻の家事をサポートする家事
そこで梅田さんは、いわゆる「主役級」の家事を妻が気持ちよくできるよう体制を整える「裏方」の家事に、率先して取り組むことにしました。
例えば、妻が朝食をスムーズに作れるように、昨晩洗っておいた食器に水滴が残っていないかを確認しながら食器棚に戻す家事。
妻がいつでも洗濯機を回せるように、乾燥機のフィルターにこびりついたホコリを定期的に取り除く家事。
「マイナスをゼロに戻す家事ですから、楽しいものではありません。それでもこれらに一つ一つ向き合っていかないと、家族の健康が守れないし家庭運営がうまくいきません」
「完璧じゃなくていい」
この話を梅田さんから聞いた編集者の淡路さんは、衝撃を受けたといいます。
「僕は結婚1年で、家事をやっているほうだと思っていました。食器を洗い、水切りカゴに入れるまでで『僕は食器洗いをやったんだ』とドヤっていたんですよね......」
単行本の帯にある<家事なんて無限にある。完璧じゃなくていいじゃないか!>というのは、淡路さんの母親の言葉から取ったといいます。
「母親だって当たり前に家事ができるようになったわけじゃなかったんだ、と初めてわかり、めちゃくちゃ感謝しました。自分の今後の夫婦関係のためにも、名もなき家事を言語化しましょう、と梅田さんにお願いしました」