やっと果たしたデビュー、だけどその後も悩みはあった。世界的人気のガールズグループが「不安な日々」を乗り越えられたわけ

    今や世界的な人気を誇る5人組グローバルガールズグループのITZY(イッチ)。2021年12月に日本デビューを果たした彼女たちに、自身が考えるITZYの魅力、パフォーマンスへのこだわり、そしてデビュー後の悩みや葛藤などを聞いた。

    かわいいだけ魅力ない 私はDALLA DALLA DALLA(違う 違う 違う)
    君の基準押し付けないで 自分らしく Grow up, Go up, Higher

    ITZY / DALLADALLA-Japanese ver.- より


    今までのガールズグループ像を覆す、自信あふれる歌詞と力強いパフォーマンスで絶大な指示を集めている5人組グローバルガールズグループのITZY(イッチ)。

    2019年に韓国でデビューし、デビュー曲の『DALLA DALLA』が瞬く間に大ブレイク。新曲をリリースする度にヒットを飛ばし、YouTubeチャンネルの総再生回数は12億越え。デビューからわずか2年で今や世界的な人気を誇っている。

    2021年12月22日には、ベストアルバム『IT'z ITZY』でついに日本デビューも果たし、本格的な海外進出も実現した。

    アイドル事務所で何年もの時間を費やし練習を重ねても、全ての練習生がデビューできるとは限らない。また、狭き門をくぐってデビューを勝ち取っても、誰もが認める人気を獲得できるのはほんの一握りのアーティストだ。


    そんな中で、ITZYはなぜここまでファンに愛され、支持されているのだろうか。彼女たちが考える自身のグループの魅力やパフォーマンスへのこだわり、また一気に名前が広がったことによる葛藤などについて話を聞いた。

    ーーここ数年で数多くのK-POPグループが生まれましたが、ITZYはその中でも特別な存在感があると思っていて。自身が考えるグループの魅力は何だと考えていますか?

    イェジさん(以下、イェジ):一番はメンバーそれぞれの個性がすごく立っていて、各自のカラーがはっきりしているところです。

    ひとりひとり、パフォーマンスの実力はもちろん、ダンスや歌や表現力だったり…違う能力を持っていて、いろんな可能性を秘めています。

    そんな5人が生み出すシナジーによって、ファンの方たちにエネルギーを与えられているのかなと思っています。

    リアさん(以下、リア):メンバーそれぞれの個性が強いと、グループ全体でまとまらないんじゃないかと思うかもしれないんですが、わたしたちは5人で集まってこそ個々人の魅力が際立つんです。そういった部分がITZYの強みだと考えていますね。

    その中で、わたしが持っている魅力は「声」だと思っていて。自分の歌声により楽曲の“感情”がもっと広がって、パフォーマンスに奥行きが生まれるのだと考えています。

    ーー確かに、それぞれの個性が出ているのにも関わらず、5人の一体感がありますね。練習ではどのようなことを心がけているんでしょうか。

    リュジンさん(リュジン):私たちのダンスは「ディテール」にすごくこだわりを持っています。

    ダンスのラインがしっかり揃うことで、楽曲と個々人が持つ魅力がハーモニーを織りなし、観ている方へ感動を与えられているのではないかと考えているんです。

    なので、手先や足先、視線など…練習で合わせた本当に細かい部分まで忘れないように毎回気をつけています。

    練習から普段の生活に戻り気が緩むと、ついついいろんなことが抜けてしまうんですよ。そうなると、また次の練習の時にやり直しってことになってしまうので、練習以外の時間でも常に最高のパフォーマンスを意識して過ごしています。

    ユナさん(以下、ユナ):あとは表情とか、内側から出てくる表現方法も私たちの強みだと思っています。

    自尊感情を高めてパフォーマンスしてこそ、オーラや雰囲気が出てくると思っているので、日々の生活でも「自信を持つ」ことはいつも心がけていますね。

    ーーみなさんは事務所で練習生を経験していますが、やはりその期間から明確な「アーティスト像」をイメージしてデビューを目指していたんでしょうか。

    イェジ:練習生の時は、正直言うと「こういうアーティストになりたい!」という明確な目標があったわけではないです。

    ただただ踊るのと歌うのが大好きで幸せで、舞台に立ち続けたいというモチベーションだけで毎日練習に励んでいましたね。

    だけど、デビューしてからは本当にたくさんの方たちが応援して、支えてくれているんだなと実感して。今はファンのみなさんにいい影響を与えるアーティストになれるよう日々努力をしています。

    ーーデビュー曲の『DALLA DALLA』が大ヒットしたことで、瞬く間に“K-POPスター”の仲間入りを果たしましたが、大変なことも多かったのでは。

    チェリョンさん(以下、チェリョン):自分たちが予想していたよりもはるかに多く注目が集まって。今までと大きく違う状況に、当時は全く実感が湧きませんでした。

    嬉しさや感謝の気持ちが大きかったので「みんなが期待してくれてるんだから、もっともっと頑張らなきゃ!」という気持ちだったんですが、無意識に自分へプレッシャーや負担をかけてしまっていたんです。

    そこでメンバーと話し合って、人々にどう見られるか、というよりは私たちがいかに努力をしているか、ということにフォーカスを当てようという結論に至ってからは、すごく心が軽くなりましたね。

    リア:わたしも全く一緒で。デビュー曲をみなさんが本当に愛してくださったので、欲張りたい気持ちが出てきたんですよね。「次はもっといい姿を、その次はもっともっといい姿を見せたい」…みたいな。

    そういう自分の欲が、かえって不安や負担になってしまっていた時期がありました。ですが、チェリョンと一緒で、メンバー同士で支え合うことでうまく乗り越えられたと思っています。

    今は私たち5人がつくる音楽や舞台を、これからもみなさんが好きでい続けてくれると信じているから、頑張れていますね。

    リュジン:デビュー後は、忙しさで時間に追われすぎて…今思うと、本質を忘れてしまっていたなと思います。

    私にとって本質であり一番大切でなことは、ステージに立つことなんだと気づく瞬間があって。そう感じてからはとにかく舞台での時間や、パフォーマンスの一瞬一瞬を大切にしたいと思うようになりました。

    自分を見失わないよう、今は、日常の時間や周りの人と過ごす時間を大事にしながら、幸せな思い出をつくっていくことを目標にしています。

    ーーデビューから約3周年を迎えようとしている今、練習生時代の自分を振り返って、何か伝えたい言葉はありますか?

    チェリョン:練習生って、どうしても不安な気持ちを抱かずにはいられない時期だったんです。

    ストレスが溜まってしまうこともありましたが、適度に発散しながら頑張りなさいと声をかけたいですね。

    リア:今振り返ってみると、当時の自分はいろんなことを考えすぎたり、悩みすぎていたと思います。

    思い詰めるのをやめて、一生懸命に練習を頑張ることさえ考えていれば、今と全く同じ結果に繋がるかはわからないけど、間違いなくいい未来があるよと伝えたいです。自分がいるその瞬間に充実感を持って過ごすことができれば、絶対いい結果が待ってるはずだから。

    イェジ:練習生の時の私は、未来のことがわからないまま、完璧さだけを追求しなければいけないと思っていて。だからいくら練習を重ねても満足できず、もっと一生懸命やらなきゃという気持ちでいっぱいでした。

    ただ、だからこそ今の自分があるし、ITZYとしてデビューできたと思うから、当時の自分の姿勢に後悔はありません。

    あえて何かを言うとするなら、抱えている不安はなるべく忘れて、自分を信じてほしいと伝えたいですね。

    ーーお話を聞いていると5人の雰囲気がすごく良くて。意見がぶつかったりする時ってあるんでしょうか。


    イェジ:もちろん、それぞれ考えていることが違うので、意見がすごく合う時もあれば、逆に全く合わない時もあるんです。

    わたしたちのやり方としては、もし意見がぶつかりあった場合には、話し合いながら解決することを心がけています。相手の言葉を尊重し、理解するようにしています。

    ユナ:大切にしているのは「尊重しながら」、「配慮し合いながら」、「会話で解決をする」ことです!

    《ITZY(読み:イッチ)》

    イェジ、リア、リュジン、チェリョン、ユナの5人で構成されるグローバルガールズグループ。アジア最強ガールズグループ『TWICE』の妹分であり、『2PM』『Stray Kids』『NiziU』を輩出させたJYPエンターテインメントより2019年2月にデビューした、モンスター級の超大型ルーキー。12月22日に日本デビューベストアルバム『IT'z ITZY』をワーナーミュージック・ジャパンよりリリースした。