「敵は、嘘。」「嘘つきは、戦争の始まり。」
宝島社が1月7日付の新聞3紙(全国版)に掲載した意見広告がSNS上で話題を呼んでいる。
読売新聞朝刊、日刊ゲンダイに掲載された広告は「敵は嘘。」。真実の口の写真を共に、次のような文章が掲載されている。
いろんな人がいろいろな嘘をついている。
子供の頃から「嘘をつくな」と言われてきたのに嘘をついている。
陰謀も隠蔽も改ざんも粉飾も、つまりは嘘。
世界中にこれほど嘘が蔓延した時代があっただろうか。
いい年した大人が嘘をつき、謝罪して、居直って恥ずかしくないのか。
この負の連鎖はきっと私たちをとんでもない場所へ連れてゆく。
嘘に慣れるな、嘘を止めろ、今年、嘘をやっつけろ。
朝日新聞朝刊に掲載された広告は「嘘つきは、戦争の始まり。」。石油まみれの真っ黒の水鳥の写真と共に、次のような文章が載る。
「イラクが油田の油を海に流した」
その証拠とされ、湾岸戦争本格化のきっかけとなった一枚の写真。
しかしその真偽はいまだ定かではない。
ポーランド侵攻もトンキン湾事件も、嘘から始まったと言われている。
陰謀も隠蔽も暗殺も、つまりは、嘘。
そして今、多くの指導者が平然と嘘をついている。
この負の連鎖はきっと私たちをとんでもない場所へ連れてゆく。
今、人類が戦うべき相手は、原発よりウイルスより温暖化より、嘘である。
嘘に慣れるな、嘘を止めろ、今年、嘘をやっつけろ。
インパクトの強い広告は、7日朝からSNS上でも話題となった。
宝島社の新聞広告では昨年10月29日に掲載された、亡くなった樹木希林さんの写真を使用した広告も話題を呼び、BuzzFeed Japanでも取り上げた。
同社では「商品では伝えきれない“企業として社会に伝えたいメッセージ”を、企業広告を通じてお伝えしたい」という思いから1998年より企業広告を開始。
これまでに数々の広告賞に輝いている。
2018年1月には「世界は、日本を待っている。」
2017年1月は「忘却は罪である。」
2016年1月は「死ぬときぐらい好きにさせてよ」
今年の企業広告の意図について、宝島社では次のように明かしている。
今回の企業広告のテーマは「嘘」です。
「敵は、嘘。」「嘘つきは、戦争の始まり。」をメインコピーに、2つのビジュアルを使用しました。
連日メディアを賑わしている隠蔽、陰謀、収賄、改ざんの事件など、気がつくと、世界中に嘘が蔓延しています。
それを伝えるニュースでさえ、フェイクニュースが飛び交い、何が真実なのか見えにくい時代になってしまいました。
人々は、次から次に出てくる嘘に慣れてしまい、怒ることを忘れているようにも見えます。
嘘が蔓延している今の世界に対して、嘘についてあらためて考え、そして、嘘に立ち向かってほしい、そんな思いをこめて制作しました。