立憲の石垣議員に批判殺到し、謝罪 「難病」で辞任意向の安倍首相に「大事な時に体を壊す癖」

    立憲民主党の石垣のりこ参院議員に対し、同じく立憲民主党の議員からも批判が出ている。

    立憲民主党の石垣のりこ参院議員の、安倍晋三首相の辞意表明を受けたTwitterの投稿に批判が集まっている。

    持病の「潰瘍性大腸炎」が悪化したために辞任を決意した安倍首相に対し、石垣議員は「大事な時に体を壊す癖がある」と述べたためで、同じく立憲民主党の議員からも批判を受けている。

    石垣議員は28日午後4時ごろ、次のツイートをした(原文ママ)。

    総理といえども「働く人」。健康を理由とした辞職は当然の権利。回復をお祈り致します。
    が、「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」を総理総裁に担ぎ続けてきた自民党の「選任責任」は厳しく問われるべきです。その責任を問い政治空白を生じさせないためにも早期の国会開会を求めます

    「回復を祈る」と体調を気遣う言葉を記す一方で、安倍首相を「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」と表現したうえで、「総理総裁に担ぎ続けてきた自民党の『選任責任』は厳しく問われるべき」だと述べた。

    安倍首相が患う潰瘍性大腸炎は、国の「指定難病」の一つだ。公益財団法人「難病情報センター」によると、この病気は下痢や血便を引き起こす。

    痙攣性または持続的な腹痛を伴うこともあり、重症になると発熱、体重減少、貧血など全身の症状が起きる可能性もあるという。

    安倍首相は第一次安倍政権でも、持病の潰瘍性大腸炎が悪化するなどして366日で辞任している。

    安倍首相「予断を許さない」

    28日の会見で、安倍首相はこの持病が悪化していることが分かり、今後の治療として現在の薬に加え、新しい薬の投与を行うことにしたと明らかにした。

    治療には、継続的な投薬が必要で「予断を許さない」として、「政治においては最も重要なことは結果を出すこと」と改めて強調した。

    そして、「病気と治療を抱え、体力が万全でないという中、大切な政治判断を誤ること。結果を出さないことがあってはなりません」と語ると、こう述べた。

    「国民の皆様の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきでないと判断いたしました。総理大臣の職を辞することといたします」

    ツイートに多数の批判の声

    石垣議員のツイートに対しては、「難病や持病を持っている人は役職に就くな!働くな!ってことか」「不適切な表現だ」などと批判が集中。28日午後8時現在、2万5000件以上リツイートされ、批判が殺到している。

    批判の中には、同じく立憲民主党で東京都武蔵野市の藪原太郎市議の返信もあり、「体を壊す癖ってなんですかね。その発言は人としてどうかと思いますよ」と投げかけた。

    作家の乙武洋匡氏も「『大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物』というアクロバティックな表現にこそ、まったく危機管理能力を感じないのだが…」とツイートしている。

    石垣議員は、他のユーザーから「こんな発言があるからブラック企業があるのですよ」「(部下に対して)例え病気でも危機管理ないなんて言いません」とする意見があると、引用リツイートして見解を補足するかたちでこう述べた(原文ママ)。

    第一次政権も体調不良でお辞めになり、この八年の間もなんども健康不良説が流れたわけです。なのに「安倍しかいない」と押しつけてきたわけです。
    もし自民党が会社ならば、これほどブラックな職場もないでしょう。

    このツイートに対しても、「誤魔化さないでください。『大事な時に体を壊す癖』について説明を」などと批判が集まっている。

    更新

    石垣議員は28日午後11時55分ごろ、Twitterを更新。福山哲郎幹事長より「”大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物”という表現は、不可抗力である疾病に対して使う言葉として不適切である」と指摘を受けたと明かし、こう謝罪した。

    「確かにこの箇所の表現に、疾病やそのリスクを抱え仕事をする人々に対する配慮が足りなかったと反省しお詫びします」

    この件をめぐっては、同党の枝野幸男代表が午後10時20分ごろ、「申し訳ありません。執行部として不適切であるとの認識を伝え然るべき対応を求めました」とツイートしていた。