安倍首相は「総理に必要な資質とは」「政権を私物化との批判もあるが」との質問に...

    自身がリーダーシップをとってきた政権と、総理大臣として必要な資質について報道陣から問われると、安倍首相は何を語ったか。

    安倍晋三首相が8月28日、記者会見を開き、持病が悪化したことから、総理大臣を辞任すると正式に表明した。

    自身がリーダーシップをとってきた政権と、総理大臣として必要な資質について報道陣から問われると、首相は何を語ったか。

    安倍首相は8月17日、慶應大学病院を日帰りで訪れた。8月24日にも2週連続で病院を訪れ、その日のうちに辞任を決意。「自分一人で判断した」と記者会見で振り返った。

    持病の「潰瘍性大腸炎」が悪化していることが分かり、今後の治療として現在の薬に加え、新しい薬の投与を行うことにしたという。

    治療には、継続的な投薬が必要で「予断を許さない」として、「政治においては最も重要なことは結果を出すこと」と改めて強調した。

    そして、「病気と治療を抱え、体力が万全でないという中、大切な政治判断を誤ること。結果を出さないことがあってはなりません」と語ると、こう述べた。

    「国民の皆様の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきでないと判断いたしました。総理大臣の職を辞することといたします」

    報道陣の質問に...

    その後、報道陣からはさまざまな質問があがった。中には、以下のような踏み込んだ質問も出た。

    ー「政権を私物化している」という批判もあるが、どう考えているか。

    政権の私物化はあってはならないし、私物化したつもりもないし、私物化もしておりません。まさに国家国民のために全力を尽くしてきたつもりでございます。その中で、さまざまなご批判もいただき、ご説明もさせていただいた。

    その説明ぶり等に反省すべき点もあるかもしれませんし、誤解を受けたのであれば、反省しなければならない。私物化したことはないことは申し上げておきたい。

    ー安倍政権は、これまでの政権と比べて、徹底したメディア対策がなされた政権だと思っている。個別のメディアに「一本釣り」のような形で出演し、質問を事前に取りまとめて、出したメディアにしか質問をさせないとか。それは、総理自身による指示だったのか。知らずにやっていたものなのか。質疑の場面なのに、なぜか質問と答えが目の前にあるのに違和感を覚えなかったのか。そのようなものが、メディアと政治という関係においてどんな影響を与えると考えているか。

    たとえば幹事社の質問を最初に受けるのは、安倍政権の特徴ではない。今までも各政権がそうだったと思う。首相として発言の正確性を担保するため、どんな質問が出るかは想定して作っている。必ずしも前もって各社からいただいた質問ではない。メディアにそれぞれどう出演するかは、それぞれの政権が判断するのであり、良いか悪いかはそれぞれの判断だと思います。

    さらに、質疑応答では「総理のあるべき姿、必要な資質とは」という質問もあった。

    これについて安倍首相は「今までも申し上げてきたことで、私が持っているかは別の問題ですが、ビジョンを持って、責任感を持って、情熱を持った方だと思う」と語った。

    「総理大臣は一人ではできません。支えてくれる多くのスタッフや議員がいて、ここまで来ることができました。チーム力が重要ではないかと思います」

    次の総理大臣となる、自民党総裁が決定する日については「党執行部が具体的に案を考えている」として、明確な時期を語らなかった。

    後任が決まるまで「私の体調は、基本的には大丈夫だと思っている」と答えた。

    安倍首相が病院を訪れた8月24日に、第2次政権発足後、連続の在任期間が歴代最長となった。その日から、わずか4日で辞意を表明するに至った。