「がんは『襲われて』『闘うもの』ではない」 竹田圭吾さんが遺稿で伝えたこと

    今年1月に膵臓がんで亡くなった竹田圭吾さんの遺稿が発表された

    竹田さんの遺稿

    今年1月、膵臓がんのため51歳で亡くなったジャーナリスト、竹田圭吾さんの遺稿が2月10日発売の「文藝春秋」に掲載された。遺稿は未完のまま、3ページ分が掲載された。

    タイトルは「がんになってよかった100のこと」。編集部によると、書籍化を前提に、竹田さんが提案したタイトルだった。生前の竹田さんの姿勢を象徴するように「がん患者にありがちなスピリチュアルっぽい本、やたらポジティブシンキングな本とは正反対の、もっとシニカルで客観的でフラットな」本にしたかったという。

    ラジオのお仕事はかつら無しダヨ なし汁ブシャーッ

    未完に終わった遺稿のなかにはこんな言葉が並ぶ。

    がんが進行しても「人生終わりというわけでないと。ちょっと種類の違う人生が続くだけのことなんですね。僕も今、頭、カツラなんですけど仕事続けられてますし、がんというのは必ずしも『襲われて』『闘う』ものではないと思う」。

    ニュースメディアに対し、常に鋭い批評をしてきた竹田さんらしく「闘病生活」や「無念の死」といった部分をフォーカスするメディアの取り上げ方を批判する。

    「マスコミとネットの中で紡がれるストーリーは、少なくとも僕にとっては偽物でしかない。がん患者は、必ずしも『闘病』するわけでもないし、するべきでもない」

    同誌には未完の遺稿のほか、竹田さんの妻・裕子さんのインタビュー、亡くなる直前に親子4人で行ったニューオリンズ旅行の編集部による記録も掲載されている。