疑惑の甘利大臣 注目の国会答弁は?

    週刊誌に金銭疑惑を報じられた甘利大臣が国会で答弁した。

    「甘利明TPP担当大臣に賄賂1200万円を渡した」(週刊文春)との報道に対し、甘利大臣は1月21日、国会で「(賄賂疑惑の)社長らと会ったことは事実」と報道の一部を認めた。しかし、「記憶が確かでない。整理して説明したい」と、金銭の授受に関しては明言を避けた。野党は追及姿勢を強めている。

    週刊文春の記事には、千葉県白井市の建設会社社員が実名で登場。独立行政法人都市再生機構(UR)の道路建設の補償を巡って甘利事務所に口利きを依頼し、過去3年で大臣や秘書に総額1200万円にのぼる資金提供や接待をした、などと発言している。

    甘利大臣の資金管理団体「甘山会」など、甘利大臣関係の政治資金収支報告書には、建設会社や実名告発した総務担当者の名前が記載されている。この記事通りなら、寄付額と政治資金収支報告書の記載が合わないという指摘もある。政権内部には「(週刊誌報道が)本当なら厳しい」と危機感が広がっている、という報道もある。

    注目の国会答弁は

    甘利大臣が記事についてどう答えるか、注目されていた21日の参院決算委員会。民主党・安井美沙子参院議員が質問に立った。

    安井議員「週刊誌にすでに目を通していることと思います。甘利大臣は今後の日本経済の命運を握る方だと思っています。しっかり説明責任を果たしてほしい」

    甘利大臣は神妙な顔つきで答えた。

    「お騒がせをいたしております。今朝、週刊誌報道を読ませていただきました。しっかり調査をして、説明責任を果たしていきたいと思っています」

    安井議員「大臣自らが50万円入りの封筒を受け取ったとあります。これは事実でしょうか?」

    甘利大臣「この会社の社長ご一行が大臣室を表敬訪問されたのは事実であります。大臣室に表敬訪問をされる方はたくさんいらっしゃいます。そこでは定番として写真を撮ったり、景色をみたりすることがあります。一行がこられて、何をされたのかは記憶があいまいなところがある。整理をして説明したい

    安井議員「別の場所で50万円わたした記載もある。これは事実でしょうか?」

    甘利大臣「報道で初めて知った」

    秘書の口利き疑惑について、甘利大臣は語気を強めて語った。

    「地元事務所にお客様もこられます。3年間ほとんど事務所を留守にしております。時々、帰るときは日程がびっちり詰まっております。この方がこられたことは覚えております。そこで何をされたのか。いま事実関係の記憶を辿っているところでございます」

    私以外のことについては、今回の報道で初めて知りました。これは事実であります。きちんと調べます。(口利き疑惑を報じられている)秘書のことも本当に今回、報道ではじめて知った」

    甘利大臣は、安倍首相の信任が厚いとされ、大揉めにもめたTPP交渉を取りまとめたことでも知られる。「甘利さんじゃなければ、これだけタフな交渉はまとめられなかった」(交渉に同行した農水省関係者)と評価の声もある。

    甘利大臣は「調べて、説明する」と繰り返した。野党は追及姿勢を強めている。