白血病の生徒、やっと登校できるようになったのに……教師が暴言「吐き気で授業を抜けるのか?我慢しろ」

    藤沢市の中学校で起きたこと

    神奈川県藤沢市の市立中学校で、2015年4月、白血病の男子生徒(中学2年)が、英語の授業中に「吐き気があるので保健室に行きたい」と訴えたところ、教科担任から「吐き気くらいで抜けるのか、我慢しろ」と「暴言」を浴びせられた。男子生徒は中学校に進学後、1年生の4月から入院のため学校を休み、1カ月前の3月、やっと登校できるようになったばかりだった。

    男子生徒は「暴言」にショックを受け、その後2週間にわたり学校を休み、いまも英語の授業に出られない状況が続いている。

    藤沢市教育委員会がBuzzFeed Newsの取材に答えた。

    市教委教育指導課の松原保さんによると、この学校では教員間で、生徒が白血病であることを情報共有していた。しかし、教科担任はこの生徒が白血病で入院生活を送っていたことを失念し、申し出を断った。生徒は、授業中、机に伏せっていたという。

    英語の教科担任は、生徒が白血病だったことに気付き「大丈夫か」などと声をかけた。対応を誤ったとして、生徒や両親に謝罪をしたが、生徒はこの教科担任の授業を受けることができない状況が続いている。「暴言」から約1年が経過した今も、英語の時間は別室で、他の教員による授業を受けているという。

    さらに、2015年9月には、定期試験で必要な副教材を生徒が持っていないことが発覚。引き継ぎがうまくいかず、本来1年時に配布される副教材が生徒の手にわたっていなかった。同月、保護者から市教委に連絡があり、一連の問題を把握した。

    松原さんは「本来、引き継ぎがあるものがなかったことは学校側のミスであり、発言も配慮に欠けており、不適切だった」と話す。学校側に「生徒の事情に配慮し、引き継ぎも徹底する」ように指導をしたが、個別の処分は検討していないという。

    市教委は約1年にわたり、生徒と教科担任の関係が修復されていないことを重視。生徒の心情を重んじて、教科担任と切り離すことを検討しているという。