アイドルの半裸画像が流出 「拡散するだけでも犯罪」と弁護士

    リツイートも「アウト」の可能性。拡散は止めましょう。

    アイドルが半裸で男性と撮ったプライベート写真が流出した。ネットでは「アイドルのおっぱい画像」と面白がって拡散させる人たちがいる。しかし、「流出させるだけでなく、拡散させるだけでも犯罪になる可能性がある」との指摘もある。

    リベンジポルノ対策法違反のおそれ

    警鐘を鳴らすのは、わいせつ事件に詳しい奥村徹弁護士だ。どんな犯罪になるのか。

    奥村弁護士が指摘するのは、リベンジポルノ対策法(正式名称・私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)に違反する可能性だ。

    一般的にリベンジポルノは、過去の交際相手が、ふられた復讐(リベンジ)として、交際時に撮った性的な画像・映像をばらまくこととされる。こうした行為は世界的に問題になり、日本でも2014年に成立した「リベンジポルノ対策法」で禁止された。

    奥村弁護士によると、日本のリベンジポルノ対策法は「リベンジ目的がなくても犯罪が成立するし、相手を困らせることは要件になっていない」という。

    どういうケースがアウトになるのか

    では、リベンジポルノ対策法が適用されるポイントは、どこにあるのか。

    まずはその画像が、第三者に見られるという想定なしに撮影された、プライベート(私的)なものかどうかです

    今回の写真が撮られた経緯は不明だが、アイドルグループの運営側は「本人の過去のプライベートの行動によるもの」と発表している。そもそも内容からして、第三者に見られることを想定して撮ったものとは考えにくい。

    もう一つは性的な画像と言えるかどうかです

    こちらについて奥村弁護士は「流出画像は、男性が女性の乳首を吸っているように見えます。乳首に触っていたり、衣服をつけない姿の写真は、この法律でいう性的画像に当たる可能性があります」と指摘する。

    画像の拡散はどれぐらいの罪か

    では、こうしたプライベートな性的画像データを拡散すると、どれぐらいの罪の重さになるのか。奥村弁護士は次のように話す。

    「リベンジポルノ対策法では、こうした画像データを、被写体が誰なのかを第三者にわかるような方法で不特定多数に提供や陳列すると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められています」

    「今回の流出写真は男女の顔がバッチリ写っています。単にリツイートしただけ、写真掲載サイトのURLを拡散しただけなど、転送・転載でも、不特定多数への提供や公然陳列とされる可能性があります

    つまり、ネットで見つけた画像を面白がって拡散しただけでも、リベンジポルノ対策法違反とされる可能性があるわけだ。

    奥村弁護士は「こうしたケースの裁判では、名誉毀損罪と2つセットで起訴されることが多いです。もし写真を見かけても決して拡散しないように」と注意を促す。