「売名行為」批判に異色のアンサー DOMMUNEが「坂上忍縛り」のライブ配信を実施

    DOMMUNEが坂上忍にアンサーを展開する。DOMMUNEはピエール瀧逮捕後に「DJ Plays "電気グルーヴ" ONLY!!」を配信し、Twitter上で話題になった。これを坂上忍がMCを務めるフジテレビの情報番組「バイキング」が「売名行為」と嘲笑し炎上していた。騒動から2週間たった本日4月15日、DOMMUNEは坂上忍の特集を展開する。

    4月15日19時からライブストリーミング番組DOMMUNEがアンサープログラムを放送する。何に対するアンサーか? フジテレビの情報番組「バイキング」とそのMC、坂上忍氏に対してだ。

    売名行為と呼ばれて

    ピエール瀧逮捕後、所属する電気グルーヴの楽曲は配信・出荷が停止、YouTubeでの動画は削除、メディアでも自粛する動きが続いている。

    DOMMUNEでは自粛モードの中、3月26日に「DJ Plays "電気グルーヴ" ONLY!!」として5時間の番組を配信。石野卓球氏主宰の音楽フェス「WIRE」に出演してきたDJ陣によって、電気グルーヴの楽曲が流された。この粋な企画にTwitterでは4時間トレンド1位を占拠、46万以上の視聴数を集め話題になった。

    DOMMUNEを運営する宇川直宏氏は、2010年の開局前、1989年から映像作家として活躍しており、電気グルーヴと親交が深かった。石野卓球がDOMMUNEに出演したこともある。

    ところが、翌日放送の『バイキング』で坂上氏は、「DJ Plays "電気グルーヴ" ONLY!!」の盛り上がりを「売名行為」だと批判。出演者に「DOMMUNEって知ってる人ってこの中にいます?」と投げかけた。

    出演者のほとんどが「知らない」と解答し、「DOMMUNEのPRという見方している人がいるんですか」、「まあ、コマーシャルにもなりますけど」と続いた。ネット上では『バイキング』の姿勢に対して批判が集まった。

    もともと「DJ Plays "電気グルーヴ" ONLY!!」はゴシップ報道への問いかけと音楽産業のジレンマを解消するための企画だった。

    世界のエレクトロニック・ミュージックを歴史的/学術的な観点から切り取り、SNS黎明期より数百時間にも及ぶ番組を 積極的に配信してきました我々DOMMUNEは、サブカルチャーの豊かな源泉であるクラブシーンを、ゴシップとして消費しようとするこのような報道に関しまして、大変遺憾なことと受け止めております

    音楽への愛だけでは乗り越えられない現実があり、我々はそのことを暗黙のうちに保留にしてしまっているのではないでしょうか?。これは大きなジレンマです。では、いったい音楽は誰のものなのでしょうか?

    「知らない」には「知る」で

    いみじくもワイドショーに「売名行為」として取りあげられたDOMMUNEは、騒動から2週間後の本日、坂上忍をフィーチャーした番組を配信する。

    単なる、意趣返しではない。DJの美学に即し、エンターテインメントに昇華するのだ。

    【何と10日間で #坂上忍 先輩の全ヴァイナル音源をフルコンプ!!】<4/15月> #DOMMUNE ■21時〜WHO IS MUSIC FOR?MUSIC IS FOR EVERYONE!3|@viking_fujitvアンサープログラム 「DJ Plays“坂上忍"ONLY!!」ドキッ!!坂上忍だらけの120分!DJフクタケ&DJ1.2&DJ SOUMA●予約▶︎https://t.co/msITafYyDW

    DOMMUNEは既存の大手メディアの「知らない」に対し「知る」手段をとった。10日間かけて、シングル10枚、アルバム4枚、サントラ2枚……坂上忍の楽曲をフルコンプリートしたのだという。

    前半は、前口上として音楽批評家の西耕一とプロインタビュアーの吉田豪を迎え「成長と音楽」を配信。日本の作曲家たちの名作と共に人間、文化としての「成長」を伝える。これは子役から俳優、そしてMCへ、成長とともに様々に表現を拡げていった坂上忍氏とシンクする構成になっている。

    後半からは 「DJ Plays “坂上忍" ONLY!!」を配信。21時から120分間、坂上氏の楽曲だけがDJプレイされる。『バイキング』から深夜に協力依頼があった旨、それが偏向的に使用されたことは想定内だったとし、企画趣旨を述べる。

    自身が居座るオールドメディアの優位性を顕示するために「知らない」という絶対的な無知がマウンティングを成立させる要素となるほどに、既にTVは極度の思考停止状態にあるのだ...という事実に驚きを禁じ得なかった!!!!!!!

    そう、この日の「バイキング」は、”抑止力"という記号を纏った暴力と、無知な奴らの無知な笑い(©︎頭脳警察)が、ディストーションの掛かった歪な雄叫びとなって、お茶の間にこだましていた。そして、専門知を全く持たない彼らTVタレント同士が、何の議論もせずに、"知らない"ムーヴメントや"知らない”カルチャーを、"知らない”という理由だけで、集団で袋叩きにしていたのだ。

    合わせて、本プログラムはアンサーであって批判ではないとスタンスを説明する。

    ここであからさまなディスが繰り広げられる訳では無い...何故なら世に産み落とされた「すべての音盤はターンテーブル上で平等に再生表現される権利を持つ」(©︎幻の名盤解放同盟)からだ。そう、あらゆる音源を超絶なる技巧によってエンターテインメントに昇華させるDJカルチャーの美学を、この日我々は坂上忍氏の全ヴァイナルを駆使し世界の側に開放する!!!!! そうこれがターンテーブル・マナーに乗っ取ったDOMMUNEからのアンサープログラムなのだ!!!!!

    この番組で、私達は「坂上忍」の音楽を知る。