アメリカのバイデン副大統領が8月15日、「私たちが日本国憲法を書いた」と演説した。米政府高官が「我々が書いた」と明言するのは極めて異例で、日本国内で話題になっている。
バイデン副大統領の発言は、ペンシルベニア州で民主党大統領候補のヒラリー・クリントン前国務長官(68)を応援する演説の中で飛び出した。
共和党大統領候補の実業家ドナルド・トランプ氏(70)が安全保障に関して無知だという批判を展開。トランプ氏が日本や韓国の核武装を容認する発言をしたことを非難して、こう話した。
「ヒラリーが指摘するように、彼は他国に核兵器の開発を促すような傲慢な話をする。まるで核戦争はささいなことであるかのように」
日本に触れたのはこの直後だった。
「私たちが(日本が)核武装できないように日本国憲法を書いたことを彼は知らないのだろうか?」
この発言の横でクリントン氏もうなずいている。
「学校にいたとき、彼はどこにいたんだ?」
トランプ氏がこのことを学校で習わなかったのだろうかという揶揄だ。会場は笑いに包まれ、クリントン氏も笑った。
バイデン副大統領がこの話をしたのは、核兵器の恐ろしさを強調するためだった。
「このような判断力を欠く人間は信頼できない。私を追ってあそこにいる男は核発射コードを持っているんだ」
こう言って会場を指差した。
「万が一、大統領に何かが起きたら、私が決めなければならないんだ。核発射コードは私とともにある。彼に核兵器発射コードを知る資格はない。彼は信頼できない」
日本で騒ぎに
参院選の自民党の勝利で、憲法改正が焦点となっているだけに、日本の報道各社は、相次いでこの発言を取り上げた。
Twitterでは「バイデン副大統領さん本音トーク」「憲法を押し付け、日本の国防を制限していると認めた」「日本の核武装論を否定的に見ている」など、様々な反応が出ている。