教授が「韓国女性が入ってきたら暴行しにゃいかない」。番組に今後「出演予定なし」

    番組を制作するCBCテレビに取材した。

    コメンテーターとして出演した中部大学の武田邦彦教授の韓国に関する発言によって、ネット上を中心に批判の声があがったTBS・CBC系の情報番組「ゴゴスマ~GoGo Smile(以下・ゴゴスマ)」。

    問題となったのは8月27日放送回での発言だった。武田教授は火曜レギュラーだが、翌週回の9月3日の番組に出演しなかった。

    番組を制作するCBCテレビ(中部日本放送、名古屋市)は同日、「いまのところ、出演の予定はないです」とBuzzFeed Newsの取材に話した。

    ゴゴスマは、毎週月〜金の午後1時55分から放送。

    同社のHPによると、「今日知っておきたいニュースや芸能情報など、『今話題になっていること』をわかりやすく伝えていく」番組で、「生の情報にこだわり、当日の事件・事故、生中継、芸能速報などを生活者目線で、詳しくお伝えします」としている。

    批判が噴出した発言があったのは8月27日放送回で、韓国を訪れた日本人女性が、韓国人男性に暴行を受けた事件を扱っていた。

    批判受けた発言とは

    この事件について、武田教授は次のような発言をした。

    「路上で、日本人の女性観光客をその国のね、訪れた国の男が襲うなんてのはね、これはもう世界で韓国しかありませんよ」

    「日本男子も韓国女性が入ってきたら暴行しにゃいかないからね」

    前者の発言後、MCの石井亮次アナウンサーや他の出演者らが「それは言い過ぎですよ」と制止しようとした。

    しかし、武田教授は「いやいや」と否定し、「これは韓国の大統領からなにから、政治家からなにから、マスコミも全部、反日的雰囲気を作った中で生まれているんですよ」

    日本人の男性は、来日した韓国人女性に対して「暴行しにゃいかない」との発言にも「先生、それは言い過ぎ」と止めが入ったが、武田教授は「ちゃうちゃう、物事はそうなるからああいう事件はダメだと言ってるんですよ」「日本男性は我慢すると思うよ。でも、我慢すると思うけど、起こってももう仕方ないんですよ」と持論を展開した。

    この発言について、CBCテレビは「番組中に司会者や出演者が否定していますし、番組、局としての考えではありません」とBuzzFeed Newsの取材に答えた。

    そして、「番組の中で発言を否定しているので」番組やHPで見解を表明するなど対応はしないとしていた。

    ただし、30日の放送回の冒頭で、石井亮次アナウンサーは視聴者に向け、こう謝罪した。

    「今週火曜日にゴゴスマで放送した日韓問題のコーナーについて、ゴゴスマとしてはヘイトスピーチはしてはいけないこと。ましてや犯罪を助長する発言は、人として許せないことと考えています」

    「ゴゴスマとしては、ヘイトや犯罪の助長を容認することはできません。番組をご覧になって不快な思いをされた方々にお詫びいたします」

    武田教授、今後は出演の「予定なし」

    翌週の火曜日にあたる9月3日の放送回で、武田教授の姿はなかった。どうしてか。

    CBCテレビ総合編成部の担当者は「レギュラーの方々は、毎週出演するということにどなたもなっておりません」と取材に答えた。

    問題視された発言をしたから出演しなかったわけではないのか。これについては「はい。今日のことは、そう伺っておりません」

    来週以降の出演については「いまのところ、出演の予定はないです」と話し、発言とは関係なく予定がないのか尋ねると、「いえ、理由についてはそのように申し上げておりませんが、予定はないです」と返ってきた。

    また、今後、出演する可能性があるのか聞いても「予定はないです」とだけ返答があった。

    なぜ「ヘイトスピーチ」「犯罪の助長」なのか

    ゴゴスマでの石井アナウンサーの謝罪メッセージには「ヘイトスピーチ」「犯罪の助長」との言葉があった。

    武田教授の発言をそう捉えているのかを確認したところ、担当者は「放送以降、世間でいろいろなご意見がありましたので、そのようなところを踏まえた上でのコメントです」と語った。

    「ご覧になった方々のご意見もたくさんこちらにも届いておりますし、発言があったときに番組の出演者も感じ取った部分があります。視聴者の方も不快に思われた方もいらっしゃったと認識しておりますので、それに対してお詫びを申し上げた次第です」

    東国原氏の発言には

    また、8月28日の放送回で、元宮崎県知事の東国原英夫が、自身の発言中にコメンテーターで東海大学の金慶珠教授から「あの」と意見を述べようとされた際、「黙ってろ、お前は!黙っとけ!この野郎、しゃべりすぎだよ!」などと声を荒げた点に対し、担当者はこう見解を述べた。

    「ご本人の説明では、お相手の方に発言タイミングの注意をしたものであるということです。けれど、番組として少し感情的になって発言されたことで視聴者の方に不快な思いをさせてしまったということかと思います」