「幼児だけを自転車に乗せたまま目を離し…ガシャン!」実際の事故映像で消費者庁が注意呼びかけ

    度々街中で見る光景ですが、自転車が倒れた際の衝撃音はなかなか大きいことが映像でわかります。

    自転車のチャイルドシートにぽつんと座る幼児。保護者は目を離しているーー。こんな光景、街で見たことはありませんか。

    もし自転車が倒れたら、どうなるのか。

    消費者庁が実際の事故映像をTwitterで公開し、注意を呼びかけています。

    目を離した一瞬で

    【#幼児乗せ自転車 #転倒事故 に注意!】 走行中だけでなく停車中も転倒事故は発生!幼児乗せ自転車を安全に利用するために、乗せる前にヘルメット・ベルトの装着、車道と歩道の段差の乗り越えに特に注意!停車中は幼児からは目を離さず、前座席は後乗せ、先降ろしを! https://t.co/iUpRWvlrkq

    Twitter: @caa_kodomo

    消費者庁のTwitterから(消費者安全調査委員会資料より編集と注釈)

    保護者は自転車の前座席に幼児を乗せました。しかし、隣に駐輪してあった自転車が倒れてしまいます。

    それに気づき、倒れた自転車に体を向けた瞬間、子どもを乗せた方の自転車が勢いよく左側に転倒しました。

    「ガシャン!」

    響き渡る大きな衝撃音。映像をよく見ると、ハンドル左側付近にリュックがかけられており、重心が傾いたのかもしれません。

    幸い、この事故で子どもにケガはありませんでした。

    この映像の再生回数は3万6000回に上っています。消費者庁は3月28日の投稿で次のように注意を呼びかけました。

    【#幼児乗せ自転車 #転倒事故 に注意!】走行中だけでなく停車中も転倒事故は発生!

    幼児乗せ自転車を安全に利用するために、乗せる前にヘルメット・ベルトの装着、車道と段差の乗り越えに特に注意!

    停車中は幼児からは目を離さず、前座席は後乗せ、先降ろしを!

    967人

    では、このような事故はどのくらい発生しているのでしょうか。

    東京消防庁によると、保護者が幼児用座席に子どもを乗せていたり、子どもだけを残して離れたりした際に自転車が転倒し、乳幼児がけがをする事故が多く発生しているといいます。

    2016年〜20年の5年間では、自転車の幼児用座席から転落するなどして救急搬送された乳幼児(0〜5歳)は967人に上りました。

    20年は136人で、そのうち1〜2歳が75人(55%)となりました。

    ほとんどが軽傷でしたが、129人(95%)が顔や頭にけがを負っています。

    停車した自転車の前後に子ども2人を乗せていたところ、後ろの子どもが自転車から降りてしまい、バランスを失った自転車が倒れて前に座っていた子どもが負傷した事例もありました。

    「子どもと自転車」から目を離す、離れる人も

    また、同庁のデータをもとにした消費者安全調査委員会の資料もあります。

    それによると、子ども乗せ自転車の事故で11〜17年に救急搬送された乳幼児1221人のうち、「停車中の転倒事故」だったのは896人(73%)に上りました。また、6割超が前座席に座っていました。

    事故の理由で多かったのは、「子どもと自転車から離れる」「子どもと自転車から目を離す」「子どもの乗せ降ろし」でした。

    消費者庁は、気をつけるべきポイントとして、次のようなことを呼びかけています。

    • 子どもを自転車に乗せる前にヘルメットをつけ、あごひもを締める。乗せたらシートベルトを締める
    • 前座席は不安定になることを意識する
    • 荷物はバランスよく配置する
    • 子どもの乗車後は目や手を離さない
    • 自転車を定期的に点検する
    • 傾斜や凹凸のない場所に停車する