動物における一雌一雄制の遺伝学的な理由が見つかった

    ペンギン、ハイイロオオカミ、テナガザルが、生涯つがう理由。

    動物界における一雌一雄制を決める普遍的な遺伝暗号があることが、新たな研究で分かった。

    国際的な研究者のチームが、ハツカネズミ、ハタネズミ、スズメ亜目、カエルにおける一雌一雄制の種と、そうではない種の「トランスクリプトーム」を比較した。

    トランスクリプトームとは、ひとつの細胞内でRNA(リボ核酸)に転写(コピー)されたDNAコードの集まりである。RNAとは、DNA塩基配列からの遺伝子のコーディング、発現を担う分子である。

    学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された研究によると、一雌一雄制のオスを調べたところ、ペアリング行動の原因と考えられる神経の発達、認知機能、学習、記憶に関連する24個の遺伝子において違いが発見された。

    一雌一雄制の種に共通している遺伝子コードは、進化の歴史や共通の生息地では説明できない。

    一般的に愛情と関連があるとされているホルモン「オキシトシン」は、一雌一雄制であるかを決めるのに関与していなさそうだった。

    だが、この研究における「一雌一雄制」の定義は、性的な排他性は含まず、その代わりに「社会的な一雌一雄制」とされている。

    つまり、生涯を通じて、子孫の世話をするためや、子孫を危険から守るために、生涯を通じて一緒にいる、というものである。

    一雌一雄制は、動物界においてで、一雌一雄制の動物は全体の5%しかいなく、一雌一雄制になる理由はあまり解明されていない。

    いくつかの種で一雌一雄制になる理由として、連れ合いのメスを守るため、つがい間でエネルギー消費を共有するため、子孫の保護を強化するためなどが挙げられる。

    プレーリーハタネズミ、ハイイロオオカミ、ペンギン数種、シロテテナガザル、クロコンドル、ポットベリー・シーホース、ハクトウワシ、メンフクロウは、一雌一雄制である。

    この研究では、人間のつがいは対象とされなかった。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan