南米を中心に猛威を振るうジカ熱。蚊の媒介によって広がるが、アメリカ初の感染例は性交渉によるものだった。
テキサス州ダラス郡の保健福祉事務所は2月2日、ジカ熱の感染例を報告。「この患者は、ジカウイルスが広がる国から帰国した患者と性交渉をもった後に、感染した」と発表した。渡航先はベネズエラだったという。
ジカウイルスは、蚊が媒介して爆発的に広がっており、性交渉による感染例は珍しい。ただ、これまでもアフリカや東南アジア諸国を旅行した男性たちが性交渉によって女性たちを感染させた報告例があり、今回の発表はこれを裏付けるものとなった。
テキサス大学の感染症専門家Nikos Vasilakisさんは、BuzzFeed Newsの取材に「感染後、ウイルスが精子にどのぐらいの間、いつづけるかが焦点になる」と話した。また、ウイルスが唾液中でしばらくの間生き続ける可能性もあると指摘した。
当局は感染を防ぐため、コンドームの使用を促している。事務所長は「ジカウイルスはセックスによって感染することがわかったので、公衆衛生教育に力をいれたい」などと述べた。
ただ、米疾病対策センターは感染経路は確認中としている。
ジカ熱は南米を中心に26か国・地域に広がる。世界保健機関(WHO)は2月1日、妊婦の感染と新生児の「小頭症」の関連が疑われるとして、緊急事態宣言を出している。