通算安打数で唯一イチローを上回る男 ピート・ローズってどんな選手?

    イチローと正反対のハッスルプレーが売りだった

    マーリンズのイチロー選手が日本時間14日のパドレス戦で3安打を放ち、ピート・ローズ氏がもつ通算ヒット数のメジャーリーグ記録4256本まで日米通算であと1本に迫った。

    イチローの記録更新が近づくにつれ、聞くようになったローズ氏だが、いったいどのような選手だったのか。

    シンシナティ・レッズで活躍

    ローズ氏は1963年に、生まれ故郷の球団であるシンシナティ・レッズでメジャーデビュー。いきなりシーズン170安打を放ち、新人王に輝いた。「ビッグレッドマシーン」として恐れられたレッズの1番打者としてチームを牽引。3度の首位打者にも輝いている。

    1985年9月11日のサンディエゴ・パドレス戦で、史上最高の通算4192安打を達成。「球聖」と呼ばれたタイ・カッブのメジャー記録を57年ぶりに塗り替えた。その後、45歳まで現役を続け、通算安打数を4256安打まで伸ばした。

    全力プレーで愛された「チャーリー・ハッスル」

    ローズ氏は独特のクラウチングスタイルでヒットを次々と量産し、200本安打は10シーズンを超える。スイッチヒッターでもあった。

    全力でプレーするハッスルぶりから「チャーリー・ハッスル」の愛称でファンに愛され、ファーストに飛び込むヘッドスライディングも代名詞。守備はデビュー時は二塁手だったが、外野手、三塁手、最後は一塁を守った。

    メジャーリーグ史上最多となる3562試合に出場した鉄人でもある。

    監督時代の野球賭博で球界追放

    1984年にモントリオール・エクスポズからレッズに復帰すると、ローズ氏はプレーイングマネジャーを1986年まで務めた。

    1987年からは専任監督となったが、1989年の監督在任中に野球賭博に関わっていたことが発覚。メジャーリーグから永久追放処分が科せられる。

    ローズ氏はこの件について約15年間にわたって否定し続けたが、2004年に発表した自伝で、レッズの勝利に毎試合賭けていたことを認めた

    数々の記録を打ち立てたローズ氏だが、永久追放処分を受けた選手は投票の対象外のため現在まで米国野球殿堂入りを果たせてはいない。昨年、ローズ氏はメジャーリーグに処分解除を求めたものの、却下されている。

    それでも今年1月にはレッズの球団殿堂入りを果たし、現役時代につけていた背番号14は永久欠番となっている。

    意外な日本との縁

    レッズの一員として1979年に来日した際にミズノと契約を結び、以後バットだけでなく、シューズ、グローブもミズノ製だった。ローズ氏がタイ・カッブの記録を抜く通算4192本目のヒットを放った日、その手に握られていたのはミズノ製のバットだ。

    バットを手がけたのは当時ミズノに所属していた「プロバットマイスター」久保田五十一さん。久保田さんは2014年に引退するまでイチローのバットも手がけている。

    また元フジテレビのアナウンサー岩佐徹氏は2012年5月のブログで78年に「西武王国の堤義明氏から『ピート・ローズを獲れないか』と聞かれた」とつづっている。

    1978年、日米野球でレッズの一員として来日したローズ氏は、オフにFA権を取得していた。最終的にフィラデルフィア・フィリーズに移籍したが、日本球界でプレーする可能性もあった。

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