「困った時の増尾昭一さんだった」爆発演出の名手の死、アニメ業界に悲しみ広がる

    エヴァ、ナディアなど数々の作品に携わる

    「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズなどで特技監督を務めたアニメーターの増尾昭一さんが7月24日午前11時36分に亡くなった。57歳だった。26日、所属した「スタジオカラー」が公式サイトで発表した。

    公式サイトでは「かねてより病気療養中のところ7月24日(月)午前11時36分57歳にて永眠いたしましたここに生前のご厚誼を深く感謝し謹んでお知らせ申し上げます」と報告。通夜、葬儀告別式は近親者、関係者で執り行う。

    増尾さんは「超時空世紀オーガス」の原画などを務めた後、1984年の「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の作画監督補を担当。その際、原画を担当した庵野秀明さんらと知り合い、フリーのアニメーターが集まる、スタジオ・グラビトンを設立した。その後、ガイナックス、カラーに所属した。

    メカニックやアニメーションの爆発や煙の描写に定評があり、その爆発シーンはファンの間で「増尾爆発」と呼ばれた。

    数々のアニメ作品に関わってきたが、特に「王立宇宙軍 オネアミスの翼」「トップをねらえ!」、「ふしぎの海のナディア」、テレビシリーズおよび劇場版「新世紀エヴァンゲリオン」など庵野作品との関わりは深い。

    エヴァなどに携わったアニメーター、演出家の平松禎史さんはTwitterで増尾さんと庵野さんの関係を「『七人の侍』の勘兵衛と七郎次のように見えた」と語っている。

    少々飛躍するけども、ボクには庵野さんと増尾さんは『七人の侍』の勘兵衛と七郎次のように見えた。庵野さんが「やってくれるか?」と言えば増尾さんは「はい」と即答する。そんな関係。早すぎる死は本当に、本当に、残念でならない。

    多くのアニメ関係者も増尾さんの死を悼んでいる。

    「困った時の増尾昭一さんだった」

    困った時の増尾昭一さんだった。我々の世代で、作品作りに増尾さんのお世話になっていない人は、いないんじゃないだろうか。そういうアニメーターが支えているが、日本のアニメだ。色々な意味で大変残念です。

    「アニメが好きで大好きな男」

    とにかく優しい男だった増尾さん。最初会ったのは何時だったろう?後輩思いで親切で腰が低くて、タイラーで久しぶりに会った時トップでどうやって撮影処理したか描いたか実演してくれて......その姿がまた嬉しそうなんだ。アニメが好きで大好きな男だった。彼の天職だった。

    「2.5倍のギャラを直接手渡しで貰った」

    劇場の犬夜叉で増尾さんの2原をやったらいつも貰ってた原画料の2・5倍のギャラを直接手渡しで貰った。金の無い新人だったから本当にありがたかったです・・・・