「私たちの年代の、リアルな恋愛が描かれています。同年代の子にはぜったい共感してもらえる」
元乃木坂46で、現在は女優の伊藤寧々は出演する舞台「まゆをひそめて、僕を笑って」(4月20〜23日、横浜赤レンガ倉庫)について、そう語る。
作・演出を手がけるのは23歳の新鋭、加藤拓也。舞台はチェッカーズの名曲「ジュリアに傷心」をモチーフにしているものの、描かれるのは現代の若者の恋愛事情だ。生々しく、リアルで、ドロドロな。
「ねぇ今日はゴム付けて」
「でも何か今更付き合ってるよねって聞くの面倒くさいし」
「じゃあ処女捨てたの?」
舞台のパンフレットには刺激的、だが若者が日常で使う会話が並ぶ。
複雑な恋愛模様の中で、伊藤が演じるのは「相手をまっすぐに好きで、まっすぐに嫉妬する、一番どこにでもいそうな役」。
だが、伊藤も舞台で描かれる今の若者の恋愛の価値観には共感する。
「恋人がいるけど、別に好きな人がいたら、告白してうまくいくかわからないから、とりあえず付き合ったまま告白するのってよく聞きます」
「友達とかでもぜんぜんいますし、私もそれが悪いとはそんなに感じないです。キープしているという自覚すらないかも。『タイミングきちゃったんじゃない』とライトに考えちゃうかな」
今も続く乃木坂メンバーとの交流
舞台はこれで3作目。「『女王の教室』を子供のころに見ていたし、最初は緊張しました」という主演の福田麻由子を筆頭に、女性キャストとはみな仲が良く、稽古が終わると一緒にご飯を食べている。
キャストには平嶋夏海、仲谷明香と元AKB48が2人いる。
「一人で活動する中、周りに人がいないの不安だよね、とか思っていることは似てますね。『グループにいたときライブ楽しかったよね』『ダンス、まだ踊れるよね』とか共通の話題が多くて、グループのころを思い出し楽しくなりますね」
稽古期間中にAKBの「3期生10周年公演」に出演するため、平嶋と仲谷が稽古場で振り入れする様子を見て、懐かしさも感じたという。
伊藤自身、現在も乃木坂のメンバーとの交流は続いている。
グループ時代から「伊藤ちゃんず」として仲が良いことで知られていた伊藤万理華とは「半年に1回に集まって、1日中遊んでます」。
ほかにも伊藤かりん、生駒里奈、元乃木坂の永島聖羅などとも半年に1回のペースで会っている。
「LINEも会うための予定を合わすために頻繁にはしないです。LINEで話すなら、会ったときに話すので。逆に毎日会っていたグループのころのほうが、なんでもないLINEをよくしてました。共通の話題が多いですから」
乃木坂時代には、自分のブログのコメント欄しか見ていなかったが、グループを離れたことでメンバーのブログをよく見るようになった。
「外に出て、みんなのブログを見ると面白いですよ。みんな頑張っているな、私も頑張ろうって思います」
現在の夢は「くの一」?
乃木坂を離れて、約2年半。現在の目標は女優だ。
最初は苦手だった演技も、舞台やワークショップに通うことで楽しくなってきた。
「やりたい役ですか? くの一をやりたいですね。器械体操を5年間やっていたし、アクロバットが得意なので、アクションをやりたいですね」。
「乃木坂のメンバーと女優として共演できたら面白いですね。卒業して違う場所で会えたら」