「映画を作るのに性別は関係ありません。深くお詫びいたします」ジブリ作品プロデューサーが、騒動でコメント

    女性にアニメは作れない?


    英紙ガーディアンは、スタジオジブリのアニメ映画「思い出のマーニー」の米林宏昌監督、西村義明プロデューサーのインタビュー記事を6日に公開したが、この中での西村氏の発言が性差別的だと海外で物議を呼んでいる。


    西村氏は記事の中でガーディアンの記者からの「今後ジブリでは女性監督を採用することはありますか?」との質問に対し「どんな映画かにもよります。実写と違い、アニメーションでは現実世界を簡略化する必要があります。女性はより現実主義的で、日常生活をうまく管理する傾向がある。一方、男性はもっと理想主義的ですね。ファンタジー映画は、理想主義的なアプローチが必要なんです。だから男性監督が選ばれてきたのは偶然だとは思えません」と答えた。


    ジブリではこれまで女性監督を起用したことはない。


    ガーディアンでは記事の見出しに「『女性は現実主義的、男性は理想主義的』なぜ監督の性別が重要なのか、スタジオジブリが語る」と西村氏の発言を切り取って使用。英国の高級紙インディペンデントも「スタジオジブリ男性監督採用の理由 男性は女性よりファンタジー映画に『理想主義的』なアプローチができる」と西村氏の発言を引用した記事を掲載した。


    これらの記事を受け、SNS上では海外から「がっかりした」「私はアニメーション監督だけれど、この発言は理解できない」「宮崎駿さんはこの発言に同意しないでほしい」と失望の声が相次ぎ、ジブリ自体が性差別的だと捉える声もある。


    「ハウルの動く城」や「崖の上のポニョ」の宣伝担当をへて、高畑勲監督「かぐや姫の物語」、さらにマーニーのプロデューサーを務めた西村氏だが、昨年4月に「スタジオポノック」を設立しており、すでにジブリには所属していない。


    ジブリはBuzzFeedの取材に対し「西村さんはすでにジブリを離れているので、ジブリとしてではなく、あくまで個人的な見解を述べただけだと思います」と話し、今回の事態へのコメントは控えた。

    追記

    西村氏は13日、「スタジオポノック」の公式Twitterアカウントで、ガーディアンでの発言について「記事は2015年9月28日にイギリスで行われた取材に基づいており、確かに私は、当該の発言をいたしました」と認めた。

    また取材を受けた時点で、すでにジブリを離れており「ジブリを代表した意見であるという誤解を与えたこと、ジブリを愛する皆様に不快な思いをさせたことを深くお詫びいたします」と謝罪した。

    性差別的と捉えられた発言については「男性は観念的な傾向が強く、現実を生きる力は女性の方が長けている。そういう差別的で偏った考えは、確かに自分の中にありました。反省し、勉強します」とし「映画を作るのに性別は関係ありません。深くお詫びいたします」と謝罪の言葉を述べた。


    訂正

    質問の日本語訳を一部修正しました。