【嫁は二次元】走るガルパンおじさんが語る #箱根駅伝 の注目「オタクランナー」

    箱根駅伝は1月2日スタート

    今年で93回目を迎えた「箱根駅伝」が1月2、3日に開催される。近年ではアニメや漫画など二次元を愛する"オタクランナー"が増え、裏名物としてSNS上で注目を浴びている。

    Buzzfeed Newsは、自身も箱根駅伝に3回出場し、アニメ「ガールズ&パンツァー」ファンと注目を浴びたコトブキヤ陸上部の稲田翔威さんを取材。今年注目のオタクランナーについて聞いた。

    ——ベースボール・マガジン社から出版されている「箱根駅伝2017完全ガイド」を見ると、オタクランナーは今年もかなりいますね。「好きな女性有名人」に声優だけでなく「星空凛」などアニメのキャラを挙げている人もいます。いつごろから多くなりはじめたんでしょう。

    声優さんを挙げるようになったのは柏原さん(竜二=山の神と呼ばれた東洋大のランナーで、声優・花澤香菜のファン)のころからですね。

    二次元を挙げる人も自分が2、3年のころに増えてきて、明治の山田稜選手は「暁美ほむら」ではなく「悪魔ほむら」(どちらもアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のキャラだが、後者は劇場版の姿を指す)とか書いていましたね。

    ——稲田さんもアンケートはかなり考えたのですか?

    好きな女性有名人の項目に限らず、尊敬する選手に「西住みほ」(「ガルパン」の主人公)と書いたり、最後の一言で「負けたらあんこう踊り」と書いたり、いろいろと考えました。本番の走りはもちろん、ここでも駆け引きですね(笑)。

    ネットには箱根に出場した選手の4年間の「好きな女性有名人」をまとめているサイトもあるので、心変わりしたらわかります。僕は4年間ずっと声優の井上麻里奈さんでした。

    ——稲田選手はオタクランナーとして有名になりました。そうした趣味のランナーが多い大学というのはあるんですか?

    稲田:ガイドブックで一目瞭然です(笑)。毎年その傾向の趣味を持つランナーが多い大学もありますね。

    ——なるほど。早稲田、東洋は多そうですね。では今年のオタクランナーを見ていきましょう。まず稲田選手の母校・順天堂大学です。

    リオ五輪3000メートル障害に出場した塩尻(和也)は、好きな女性有名人に「μ’s」って書いてますね。

    彼は高校時代、アメリカへ試合に行ったところスクフェス(アプリゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」)を始め、ラブライブ!にはまったんです。

    ——塩尻選手はプロフィールの自慢の欄に「FINAL LIVEに行きました」と書いていますが、同じく順大の森湧暉選手も「μ’s FINAL LIVEに行けた」と同じことを書いています。

    森は塩尻の2年先輩になるんですが、ライブに一緒に行ったみたいです。2人とも寮で同じ部屋で、仲が良いんですよ。

    もともと森はAKBファンなんですが、いつの間にかラブライバー(アニメ「ラブライブ!」のファン)になって、アニメを見はじめるようになってました。

    大学1、2年のころはCDを何十枚も買い、AKBの握手会にも行っていたので、僕もびっくりの転身です。最近は小倉唯さんのファンです。

    ——塩尻選手の布教の賜物ですね。他校ではどうでしょうか。

    青山学院大の下田裕太選手はアイマス(アイドルマスター)のファンで、ライブも行っているようですし、相当なものだと思います。

    東洋大では口町亮選手ですね。好きな女性有名人に声優の「渡部優衣」、自慢の欄に「ホムラジのツイッターで応援された」と書いてますね。彼は兵(つわもの)ですよ。

    ※注:ホムラジは渡部が出演するラジオ「れい&ゆいの文化放送ホームランラジオ!」のこと

    口町選手は秋葉原に寄った際、自分が働くコトブキヤ秋葉原館に挨拶に来てくれたこともあります。

    ——駒澤は好きな女性に声優をあげている選手はいないようですね。早稲田はどうでしょう。

    早稲田は安井雄一選手がラブライバーなはずなんですけど、好きな女性有名人「NMB48藤江れいな」となってますね。転身したのかな…。

    あっ、でも「全速前進!ヨーソロー!」。これはラブライブ・サンシャインのセリフです(笑)

    ——オタクランナーも注目ですが、初心者にわかりやすい箱根駅伝の見どころはありますか?

    重要区間の1区前です。箱根は5区(山登り)に注目が集まりますけど、そこに繋ぐ4区が大事。いかにいい位置で渡せるか近年重要視されています。

    今年は4区が18.5kmから20.9kmに延長。逆に5区は23.2kmから20.8kmに短縮されましたから余計に重要です。

    いい位置といっても、ただ前で渡せればいいのではなく、逆に集団で渡した方が牽制しあっていけるというのもあります。

    前に人がいない場合で渡すと単独走になってしまう。単独走ほどキツイものはないので、目の前で捉えられる位置で渡すのがベストです。

    ——復路はどうでしょう。

    復路は9区が裏のエース区間と言われていますが、今の箱根だとここでは挽回が厳しい。7区は最後の挽回が利く区間なので、近年は準エース級を置く学校が多いです。

    7区は適度なアップダウンがあり、走るリズムを変えられるので、一番走りやすい区間と言われています。最後に流れを変えるのはここです。

    ——復路では走る前から勝敗が見えてしまうことがあります。選手のモチベーションはどう保つのでしょうか。

    わりとモチベーションは続きます。例えば往路で自分の大学の選手がごぼう抜きをして目立っていたら「よし俺も」「あいつだけにいい顔はさせない」となる。

    ランナーは負けず嫌いが多い。自分の大学の選手に負けられないという思いがあるチームは強いです。

    稲田選手の2017年の目標は?

    ——2016年にはコトブキヤに入社し、陸上部も立ち上げました。稲田さん自身の2017年の目標は?

    部員が1人なので、マラソン大会を中心に出場していきます。大洗で三浜駅伝というのがあるんですが、同じガルパンが好きな市民ランナーを集めて出てみたいです。

    これをきっかけにガルパンファンの方々に、駅伝や陸上競技の楽しさを知ってほしいと思ってます。

    ——タイム的な目標はありますか。

    マラソンの記録が残せていないので、2時間20分はさすがに切りたいですね。

    ——コトブキヤの関係者の方が、2時間15分切ったら2017年にアニメ放送される「フレームアームズ・ガール」のアフレコ現場に行っていいといってます。

    かなりモチベーションが上がりますね(笑)。2017年も宣伝ランナーとして頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします。