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【リオ五輪】国は対立しても...ベルニャエフとベルヤフスキーが見せたスポーツマンシップ

五輪の精神はここにある

リオ五輪体操男子の種目別決勝、平行棒の金メダルはウクライナのオレグ・べルニャエフ。銅メダルはロシアのダビド・ベルヤフスキーだった。

2014年のロシアのクリミア侵攻後、両国は緊張関係が続いている。

だが、両国を代表する選手同士は表彰式ではスポーツマンらしく抱擁。ウクライナ国歌が流れ終わると、ベルヤフスキーも観衆と一緒に拍手した。

五輪の舞台に両国選手の対立はなかった

ベルヤフスキーは試合後、タス通信の取材に、べルニャエフは金メダルにふさわしいと話した後「僕らは友達だし、関係は良好だ」と話した。

大会の種目別の跳馬ではこんなシーンもあった。べルニャエフが跳躍を終えると、踏み台を直していたロシアのコーチが声を掛け、ハイタッチする。

おそらく跳躍を褒めたのだろう。スポーツの場に両国間のわだかまりはなかった。

互いをかばい合う両国選手たち

だが、政治家たちはそう考えない。

AFP通信は6日、ウクライナのスポーツ大臣イゴール・ジダノフが自国の選手団に対して五輪期間中、ロシアのメディアの取材を受けることを禁止したと伝えた。

一部のウクライナ人選手は、ドーピングで五輪に出場できないロシア人選手に同情的な発言をしたが、このことがロシア国内で大きく取り上げられ、ウクライナのロシアを敵視する人々から非難を浴びたためだ。

ロシアの一部メディアは、べルニャエフが個人総合で銀メダルを獲得した後、ロシアのテレビ局の取材を拒否したと批判的に伝えた。

すると、ロシアの体操選手ニキータ・ナゴルニはインスタグラム上にべルニャエフとの写真をアップし、ベルニャエフを擁護した。

「僕たちは良い友人だよ」

ベルニャエフ以外にも、ロシアとウクライナの選手たちは友情を育んでいる。

リオ五輪男子テニスに出場したロシアのアンドレイ・クズネツォフは、自身のインスタグラムに「実際、僕たちは良い友人だよ」との言葉とともに、選手村で撮影された複数のロシア人選手とウクライナ人選手が肩を組む写真を掲載した。

しかし、クズネツォフはなぜか写真を数時間後には削除。現在はその写真を保存していたロシアのスポーツサイトでしか見られない。

ウクライナのポロシェンコ大統領の顧問を務めるユーリ・ルツェンは、この写真について自身のfacebookで激しく非難している。

選手たちは憎み合わない。けれど...

レスリングのグレコローマンスタイル男子85kg級決勝でも、ロシアのダビト・チャクベタゼとウクライナのジャン・ベレニュクによる両国の対戦があった。

結果はチャクベタゼの勝利。試合後、両選手はスポーツマンらしく挨拶をしていた。

しかし、ウクライナのスポーツ大臣ジダノフはfacebook上で「ベレニュクは金だ。彼のメダルは盗まれた」と書き込んだ。

ベルニャエフはウクライナ・ドネツク出身。生まれ故郷は紛争で被害を受け、そこに住む祖父母とは数年会えていない。

ロシアという国に対しては複雑な心境があることだろうが、ロシア人選手とは友情を育んでいる。

五輪参加選手たちはライバル心はあれど、けして憎み合っているわけではない。むしろ同じスポーツをする仲間だ。

けれど、国や政治家たちが対立を煽っていく。

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