ネット動画配信サービス「DAZN」は6月15日、UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグ、UEFAスーパーカップの2018年以降3シーズン全試合の独占放映権を獲得したと発表した。
放映権獲得によりDAZNは2018-19シーズン、19-20シーズン、20-21シーズンの3年間、欧州最高峰の大会を放送する日本で唯一のサービスとなる。
DAZNでは本大会出場権を争うプレーオフから、グループステージ、決勝トーナメントまで全試合のライブ中継と、試合終了後の見逃し配信・ハイライト映像を放送する。
放映権の獲得について、DAZNのジェームズ・ラシュトンCEOは「我々が、欧州トップクラスの大会の独占放映権を取得できたことを大変喜ばしく思っております」とコメントしている。
またUEFAのマーケティングディレクター、ガイローラン・エプスタイン氏も「今回のDAZNとの契約により、さらに多くのファンが試合を楽しめるようになることは、私たちにとって大変喜ばしいことです。DAZNの革新的なストリーミングサービスは試合の視聴方法の進化を表しており、日本のファンが好きな選手や好きなクラブの試合をいつでもどこでも観戦することを可能にします」と語っている。
スカパー!、フジテレビの中継はどうなる?
日本でのチャンピオンズリーグの中継は2003-2004シーズン以降、スカパー!が放送。スカパー!からサブライセンスを得たフジテレビが地上波での放送を行っていた。
スカパー!の広報によれば、2017-2018年シーズンのチャンピオンズリーグはスカパー!では放送するものの、その後は未定。
DAZNからサブライセンスを取得すれば放送の可能性も残るが「現時点ではコメントは差し控えたい」と答えた。
DAZNの広報もサブライセンスについて「先のことで分かりません」と前置きしつつ、スカパー、フジテレビへのサブライセンスについて「現状では予定はありません」とコメントした。
Jリーグに続き、CLも失ったスカパー
DAZNは2017年から10年間、2100億円という巨額の契約でJリーグの全試合の放映権を獲得したが、もともとはスカパー!がJリーグの放映権を保持していた。
今シーズンもJリーグ中継を継続するため、スカパー!はDAZNとのサブライセンスを取得しようと努めたが、交渉は決裂している。
Jリーグ、そして欧州チャンピオンズリーグと人気のサッカーコンテンツを2つ奪われたスカパー!。
欧州強豪国のリーグについても、イタリアのセリエA、スペインのラ・リーガ、ドイツのブンデスリーグはDAZN、英プレミアリーグはスポナビライブが放送と、スカパー!が独占放送するものはない。
5月に発表された2016年度の通期決算説明会では、Jリーグの放映権喪失に伴い、加入者数は16.2万人の純減と発表したが、チャンピオンズリーグの喪失でさらにサッカーファン離れが加速する可能性がある。
ファンからは心配も
DAZNではJリーグ開幕戦から配信トラブルが相次ぎ、今年3月には謝罪会見を行っている。
最近では大規模なトラブルこそないが、安定した配信や映像の画質について疑問視するサッカーファンは少なくない。
このため今回のチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの放映権獲得に関して「見てる途中で止まったり中途半端になかったりしたら最悪」「フレームレート問題解消してくれないだろうか」とSNS上で心配の声も上がっている。