「地震なんかないよ」で炎上した東森美和は、起業していた

    あの騒動から2年。

    「地震なんかないよ」

    それは2014年5月4日のこと。早朝、関東地方を中心に最大震度5弱の地震が発生。NHKが東京・表参道で地震後の街の様子を中継をしていると、「地震なんかないよ!」とカメラに向かって叫ぶ女性が画面に映り込んだ。

    その模様は全国に放送された。すぐにネットの”特定班”によってその女性が、タレント活動をしている東森美和さんだとわかった。例のごとく「不謹慎」「酔っ払いが!」と炎上。

    騒動から2年。東森美和さん(@higashimorimiwa)は、株式会社HigashimorimiwAを立ち上げ、自ら代表取締役社長に就任していた。

    「地震なんかないよ」あの日の背景

    東森さんは大阪府出身で、現在24歳。8歳のときに芸能界デビュー。18歳で上京し、モデルやタレント活動を行ってきた。

    まず、”あの日”の真相から聞いてみたい。

    「21歳のころから、お酒が楽しくなってきました。あの日も友人たちと朝まで飲み、泥酔していました」

    「それで帰ろうと外に出たら、スマホに地震通知が届いていることに気づきました。友だちも『さっき地震あったらしいよ』と言ってきました。私は揺れに気づかず、みんながデタラメを言っていると思い、必死で地震がなかったことを伝えていたのです」

    「それと同時に、店の前にカメラを持った2人組の男性がいました。ハンディーカメラだったし、リポーターもいなかった。ちょうどゴールデンウィークで、観光客が勝手に私たちを撮っているのだと勘違いしました」

    「お酒も入っていたし、盗撮だと思った私はイラッとし、『地震なんかないよ!』とカメラに向かって叫んでしまったのです。それが、NHKの中継カメラだったという……」

    その後、帰宅し就寝。起きたら友人から、自分に関する大量の記事が届いていた。「最初はドッキリかと思った」と東森さん。

    だんだんと調べていくうちに、それが事実だとわかり、自分の情報がネットで広まっていることに気づく。

    「事の重大さに気づき、まずはお仕事しているところに迷惑かけてはいけないと思い、TwitterやFacebook、ブログなどに鍵をかけました」

    「ただあの時はフリーでモデル活動をしていたものの、事務所に所属しておらず、タレント活動はしていませんでした。だから『あの女は芸能人』という書かれ方には違和感がありました。『芸能人じゃないのにな……』って」

    その後、活動を自粛。しかし、「このままのイメージで終わるのは嫌だ」と思い、ニコニコ動画で説明会見を行った。それが今度は「売名行為乙www」と叩かれ、再び炎上した。

    なにをやっても裏目に出ると考えた東森さん。そのとき、現在も所属しているワンエイトプロモーションの社長に声をかけられ、初のグラビアに挑戦したり、DVD「揺れる想い 自信なんかないよ」を発売したりするなど、ある意味“逆手に取った活動”に振り切った。

    「イメージを払拭するのに必死だった」と当時の思いを語る。

    起業、社長になった理由

    そんな東森さんは、なぜ起業をしたのだろうか。

    「学生時代から社長になりたいと思っていました。高校生のとき、3年間生徒会長をし、生徒会活動の中でボランティア活動をしていたのです」

    「ボランティア経験と、自身が国際科で、授業などを通じて海外の現状を知ったとき、『海外でも何か役に立つことができたらいいな』と思い、それにはまずお金が必要だなと」

    「それでお金を稼げる職を考え、社長になって稼いでいつか世の中の役に立つことができればと思ったのがきっかけです」

    昨年5月から芸能活動を制限。本格的に起業への準備を進め、昨年12月に法人登記をした。事業内容は、飲食店やアパレルなどの企画プロデュースなど。「昔からおもしろいことを考えるのは得意だった」と東森さん。

    「いまは基盤作り期間。できることを精一杯やりたいと思っています。今後は従業員も増やしていき、拡大していきたいと思います」

    最後にあの日の”事件現場”へ向かった。

    −−事業家として成功する自信はありますか?

    記者の意地悪な質問に、彼女は静かな微笑みを見せた。


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