音楽に政治を持ち込むな? フジロック批判に加藤登紀子さんがコメント「不安や不満、もっともっと歌いましょう」

    ネットで論争が起こる。

    国内屈指の音楽野外フェス「FUJI ROCK FESTIVAL(フジロックフェスティバル)」。その出演者をめぐり、ネット上で論争が起こっている。

    焦点となっているのは、学生団体「SEALDs」の奥田愛基さんや、ジャーナリストの津田大介さん、歌手で平和運動に取り組む加藤登紀子さんなどが出演することだ。

    これに対し、ネット上では「フジロックに政治色入ったのか?」「音楽に政治混ぜてくるとかゴミ過ぎんだろ」など反感の声が挙がっている。「#音楽に政治を持ち込むなよ」というハッシュタグも立てられた。

    「フジロックのこと知らない人が言っているよね」

    しかし、上記のような意見に対し、「ロックはもともと反体制のもの。それを理解していない人が多い」と反論する人々が登場。

    また、人気ロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」のボーカル、後藤正文さんはTwitterで以下のように発言した。

    フジロックに政治を持ち込むなって、フジロックのこと知らない人が言ってるよね。これまでいくつものNGOやアーティストがさまざまな主張をステージて繰り返してきたわけだし。ただ、ちゃんと真顔で「うるさいよ、馬鹿」くらいは言い返しておかないと、ちょっとだけ何らかの自由が削られる気がする。(原文ママ)

    コラムニストの小田嶋隆さんもツイートを投稿

    「音楽に政治を持ち込むな」と主張している人たちは、あらゆる人間の営為(恋愛、友情、祈り、嘆き、感謝、生活、歓喜、憎悪、怒り、皮肉、政治、旅などなど)を包摂する芸術である音楽から、特定の要素だけを排除できると考えている点でアタマがおかしいと思うんだが。(原文ママ)

    この論争はさまざまな方向に派生し、「ロックとはなにか。音楽と政治の関係」と壮大なテーマを巡っているのが、ここまでの流れである。

    とりあえず、SEALDsは歌わない

    さて、論争の中心とされている、SEALDsの奥田さん。確かに奥田さんは会場に登場するが、アーティストとしてではなく、トークイベント「アトミック・カフェ」に参加する。

    奥田さん本人が、Twitterで述べた。

    別に、政治家でもないし、ロックでもないし、ラップもやってないし、アーティストでもない。呼ばれたら行くし、ただやりたいこと、やれることやってるだけ。話すだけだし。8月で解散。(原文ママ)

    しかし、「そもそも音楽フェスに素人を出演させることが問題」「音楽家でもない政治団体がロックフェスに来んなよ」という声も挙がる。

    BuzzFeedは、一連の批判についてどう考えるか主催するSMASHに問い合わせているが、現時点で回答は得られていない。

    加藤登紀子さん「あらゆる場所が自由であるべき」

    今年でフジロックへの出演が7回目となる加藤登紀子さんは、BuzzFeedの取材に対し、以下のように答えた。

    「自分がいま、最も伝えたいこと、叫びたいこと、訴えたいこと。それを自分の言葉で歌う! それが歌手というものよ。今の時代への不安や不満、もっともっと歌いましょう」

    「フジロックに限らず、あらゆる場所が、自由であるべきです。特にアトミック・カフェのステージは、2011年の原発事故という恐怖の現実に対して、正しい答えを見つけるために、みんなで作ってきた対話の場。歌も含め、一番自由に語れる場所です。大切に守っていきましょう!」

    アメリカ大統領予備選で、民主党のバーニー・サンダース候補の支持を公言している「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」のフリーも出演するフジロックは、7月22日から開催されます。

    Correction

    加藤さんのフジロック出演回数を4回から7回に修正いたしました。

    Correction

    加藤さんのフジロックへの出演は今年で7回目でした。修正いたしました。


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