災害支援のために知っておきたいこと 善意が逆効果にならないために

    「災害支援手帖」から学ぶ

    熊本県で4月14日に発生した最大震度7の地震で、多くの家屋が倒壊し、死者は9人に達した。自衛隊が救助に入るなど、災害支援の動きが本格化している。善意が逆効果にならないために知っておくべきことを「災害支援手帖」(リンク先で無料公開中)などを参考にまとめた。

    災害支援手帖の著者で評論家の荻上チキさんは先月、BuzzFeedのインタビューでこう語っていた。

    「キーワードは『善意は善行にならず』。よかれと思ってしたことでも、やり方を誤れば迷惑になることがあります」「まずは、支援をしたいと思った対象のニーズを確認する。現地で活動している団体の情報発信を調べ、それを支援するのが妥当ですが、それすらできていないケースがあったのです」

    困る支援物資

    大きな地震だからといって、やみくもに物資を送ればいいというものではない。

    東日本大震災でも、災害支援の現場に送られて困るものがあった。

    ・ナマモノ

    賞味期限が短いものを送っても困る。

    ・寄せ書きや千羽鶴

    知らない人から送られても、扱いに困るというのが最大の理由だ。気持ちがこもっているだけに、捨てにくいという声も。

    ・カップラーメン

    食べるのに電気やガスが必要なもの。

    ボランティアに行きたい場合

    ボランティアは自己完結が大原則。安全や健康は自分で守る。やみくもに行けばいいというものではない。

    熊本県社会福祉協議会などで情報を集めることが重要だ。

    家屋の片付けなどに必要な服装や装備については、全国社会福祉協議会の作業マニュアルが参考になる。

    災害の現場は、普段より衛生状況が悪化している。長袖、長ズボン、長靴、軍手とゴム手袋で二重にする。ここでまとまっている情報をベースに、被災地で必要なものを足し引きすると良い。