北海道男児不明、山中でどう生き延びるか 専門家が語る2つのポイント

    「万が一に備えて、家族で共有を」


    北海道で5月28日から行方不明になっていた小学2年生、田野岡大和くん(7)が6月3日、見つかった。山中で1週間、どうやって生き延びたのか。そして、いざというときどうすれば良いのか。専門家は「助かるための2つのポイント」があると話す。

    田野岡くんは、陸上自衛隊駒ケ岳演習場にある小屋で発見された。朝日新聞によると、行方不明になったとされる場所から6~7キロの地点だという。

    発見までの1週間、田野岡くんが一人でどうやって山中で過ごしたかはわかっていない。BuzzFeed Newsは、ボーイスカウト日本連盟社会連携広報部の木本史郎さんに、子供が一人、山中ではぐれた際、助かるためのポイントはどこにあるのかを聞いた。

    「今回の行方不明で気になるのは、大自然のなかで子供を1人にしたこと。こういう状況は作らないことが第一ですが、山登りなどで子供が1人、はぐれるケースは想定できます。はぐれた場合、注意すべきは2つ。万が一に備えて、家族で共有してください」

    第1のポイント「動き回らない」

    「大人とはぐれた場合、そこから動かないことです。親を探さないことです。親は、もしはぐれた場合は『大人が絶対に探すからそこから動かないで』と伝える」

    「子供が親を探さない利点は2つあります。むやみに動くと、親子でお互いを探す状況になり、距離が離れてしまうこと。もう一つは体力を消耗しないですむことです。動き回ると喉はかわき、おなかもすく。水分も食料も必要になります。探してもらうのを待ちましょう」

    第2のポイント「音を出す」 

    「大きな声で『助けて』と叫ぶというのもいいのですが、声を出すと意外と体力を消耗します。もっといい方法は笛を持っていくことですが、なければ石や木で音をだすこと」

    「3回ずつ、音を出す。これは救難信号の基本であり、人の注意を引き寄せます。1回なら偶然かな、と思われますが3回なら意図を持っている。動物や、自然の音ではなく、人が出していると思ってもらえます。救難信号も3回ずつ音を出します。それと同じように、石や木で3回出すことです」

    子供が遠くまでいかない、は大人の思い込み

    木本さんはこう話す。

    「子供だから、遠くまでいけないだろうというのは大人の思い込みです。山中など高低差のあるところでは、子供は身軽で、意外と遠くまで動ける。自分たちが思っていたより、遠くまで離れていたということはある。約束事を作るのが大事です」