うさぎ学長ビラ問題、学生は処分なし 國學院大「誤報拡散の問題も把握」

    正式に決まりました

    学長とマスコットキャラのウサギを取り違えたビラがインターネット上で話題となった國學院大学。大学が作成した公式パンフレットで印刷ミスがあったとの誤解が広がり、学内でビラを配布した男子学生の処分が検討されていた。

    5月11日、國學院大はこの男子学生に「今回の件で処分はしない」と言い渡した。BuzzFeed Newsの取材に対して、大学の広報担当者は「学則などに則り、処分を検討したが今回の件は懲戒には値しないと判断した」と話した。

    この問題は4月上旬、男子学生が故意に学長とマスコットキャラクターのウサギの写真を入れ替えたビラを作り、新入生に配布したことだ。ビラには<過激派にご注意を!>という題の文章が書かれており、「過激派が関与するサークルに入らないよう注意を促す」意図があった。写真を入れ替えたのは、たんに注目を集めてビラを手にとってもらうためだった。

    しかし、ネット上ではこのビラが大学の公式印刷物であるかのようなツイートが広がった。netgeekはそれを元に「國學院大學のパンフレットに致命的なミスがあって声出して笑った」と題した記事を配信。大学側が間違ったという誤解が拡散した。(netgeekの記事は現在、本文に「配布されたパンフレット(非公式)」と加えているが、見出しは変わっていない。記事を当初のものから訂正したとの記述はない)

    BuzzFeed Newsは大学関係者への取材を通じて、この学生に大学の評判を貶める意図はなかったことや、処分が検討されていることを報じていた

    これに対し、学生の周辺からは「騒ぎを広めたツイッターユーザー、誤った情報を拡散したメディアの責任ではないのか。処分は行き過ぎだ」という声もあがった。インターネット上では「これで学生処分とは驚き」「大学当局のほうが問題がある」と男子学生への同情も高まっていた。

    國學院大で今回の処分に関わった関係者はBuzzFeed Newsの取材に対し「学生を処分すると、この騒動の責任を1人に負わせることになってしまう。誤った情報を拡散させた側の問題も把握している」と話した。

    学生は処分が決まるまで、「よりエスカレートさせたビラ配布などをやりかねない」として、大学側から自宅待機を命じられていたが、すでに待機は取り消され、講義に参加している。