「同性愛を揶揄」と批判
「保毛尾田保毛男」はとんねるずの石橋貴明さんが同番組で1988年~1997年にかけて演じていたコントのキャラクターで、濃い青髭、ピンク色のほほ、くぐもった高い声などが特徴。
28日の放送では、共演者と「あんた、ホモなんでしょ?」「ホモでなくて、あくまでも噂なの」などとのやり取りを繰り広げた様子が、セクシャルマイノリティを揶揄し、笑いのネタにしていると批判された。
保毛尾田を登場させた理由について、フジテレビの広報はBuzzFeed Newsの取材に対し、「(30周年を迎えた)番組の歴史を振り返り、番組の人気キャラクターとして登場させたものです」と答えていた。
批判を受け、同社の宮内正喜社長は9月29日の定例会見で、「不快な面をお持ちになった方がいたことは大変遺憾なこと」と謝罪。
公式サイトに掲載された謝罪文では、「このキャラクターが長年に渡り与えていた印象、子供たちへの影響、およびLGBT等をとりまく制度改正や社会状況について私共の認識が極めて不十分であったことを深く反省しております」とお詫びした。
BPOは「審議の対象外」
一方、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、保毛尾田が登場した同番組は「バラエティーの表現の自由の範囲内」だったとして、審議の対象外とすることを10月13日に発表した。
フジテレビのお詫び全文は、以下の通り。
平成29年9月28日(木)に放送した「とんねるずのみなさんのおかげでした30周年記念SP」において、出演者が「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」というキャラクターに扮して出演致しました。しかしながら番組の放送に伴い、このキャラクターに関して沢山の抗議を頂戴しました。
番組は、LGBT等性的少数者の方々を揶揄する意図を持って制作はしておりませんでしたが、「ホモ」という言葉は男性同性愛者に対する蔑称であるとのご指摘を頂きました。そのような単語を安易に使用し、男性同性愛者を嘲笑すると誤解されかねない表現をしたことで、性的少数者の方々をはじめ沢山の視聴者の皆様がご不快になったことに関して、深くお詫び致します。またこのキャラクターが長年に渡り与えていた印象、子供たちへの影響、およびLGBT等をとりまく制度改正や社会状況について私共の認識が極めて不十分であったことを深く反省しております。
今回頂戴した様々なお叱りやご意見を真摯に受け止め、多様性(ダイバーシティ)のある社会の実現のために正しい知識を身に着け、より良い番組作りを進めて参りたいと考えております。
BuzzFeed Newsでは【「2017年に『ホモ』という言葉をテレビで聞くとは思わなかった」フジ番組に批判】という記事も掲載しています。