【都知事選】「商品だったら3人とも一緒」Twitter分析でみると

    でも話題にならない増田さん

    7月31日に投開票される東京都知事選。元防衛相の小池百合子さん(64)、元総務相の増田寛也さん(64)、ジャーナリストの鳥越俊太郎さん(76)が競る。データ分析会社「ブレインパッド」が、この3候補に関するツイート数を分析した。

    3人の名前を検索ワードとして設定。6月25日〜7月25日の日ごとのツイート数を分析した。

    最多は鳥越さんで、出馬表明した7月12日の6692だった。

    小池さんは7月19日に5342を記録した。この日、鳥越さんを「病み上がりの人」と揶揄したことをテレビで謝罪した。

    対照的なのが増田さん。2人のような盛り上がりがなく、ピークも595(7月13日)にとどまった。

    投稿された内容は、好意的か、否定的か?

    ブレインパッドは、ツイートにこめられた感情が「好意的」「中立」「否定的」のどのパターンにあてはまるのかも自動分類した。(6月25日〜7月20日)

    結果は、3人とも同じ傾向に。

    広報の辻田健作さんはBuzzFeed Newsに「まとめサイトで酷評されている例もあるので、特定の候補者の評判が悪く見えるかもしれない。だが、ツイートの反応は3人ともほぼ同じで、面白い結果だ」と話す。

    この手法は新製品がどのように市場で受け入れられるかを分析するときに使われるといい、「商品で言えば、3人とも同じです」と辻田さん。

    ただ、好意的なツイートが多いからといって、優勢とは言えない。Twitterを使っていない有権者もいるし、逆に有権者ではない人もツイートするからだ。

    新聞は「小池リード、鳥越は苦戦」と伝える。

    新聞各紙の選挙戦終盤の情勢調査は、ツイートの盛り上がりとは全く違う。

    小池さんが優勢で、増田さんが追い、鳥越さんは伸び悩んでいると伝えている。

    自民、公明からの推薦を受け、組織選挙を繰り広げる増田さんはツイート数が少なく、SNSとは距離があるようだ。

    「オタク」「病み上がり」「借金」

    ブレインパッドは、好意的なツイートと否定的なツイートで、それぞれ頻繁に登場する特徴的な言葉も分析した。

    小池さんをめぐる好意的なツイートでは「女性」や「オタク」といったキーワードが浮かぶ。当選すれば初の女性知事誕生となることや、コミケを応援するTweetが注目された。

    半面、「女性」は否定的な投稿とともにも使われており、女性であることが両面で受け取られていることがわかる。

    増田さんを巡る好意的なワードは「県知事」や「自民党」。元岩手県知事で、自民党の推薦を受けての立候補だからだ。否定的なのは「借金」。知事時代に県の借金が膨らんだことが話題になった。

    鳥越さんを巡る好意的なキーワードは「野党」や「宇都宮」。野党4党の統一候補であり、出馬を取りやめた元日弁連会長の宇都宮健児さんとの協力が注目されている。一方、否定的なワードは「病み上がり」。小池さんが演説で鳥越さんを指して揶揄し、謝罪した内容だ。

    サムネイル写真は時事通信