観光業界は大反対。「海の日」が3連休じゃなくなるかもしれない、その理由

    もともと7月20日だった祝日。いまは第3月曜日ですが…

    7月17日は海の日。3連休の最終日、みなさんはどう過ごす予定でしょうか。そして、いまは第3月曜日である海の日を、7月20日に固定化しようとする動きがあるのも、ご存知でしょうか。

    そもそも「海の日」って何の日か知っていますか?

    日本の祝日を決めている「国民の祝日に関する法律」(祝日法)には、その目的が「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と記されている。

    由来は、実は明治天皇にある。

    明治神宮によると、1876(明治9)年6〜7月にかけ、明治天皇は東北と北海道の巡幸に向かった。7月16日には青森から「明治丸」に乗船し、函館を経由して横浜へと戻ったのが、20日だったのだ。

    このことを記念しようと、戦時中の1941(昭和16)年に「海の記念日」の制定が決まった。

    数十年を経て、平成。祝日法を改正し、新たな休みを作ろうとして名前があがったのが、この「海の記念日」だった。

    当時の国会議事録を見ると、「長くこれまで海の記念日として国民に定着している」ことなどがその理由としてあげられていた。ただ、戦時中に制定された記念日だったことを理由に、「戦意高揚に用いられた」「アジア諸国を刺激する」などという反対意見も出ている。

    結果として、海の日は1996(平成8)年から祝日になった。

    「ハッピーマンデー」で生まれた3連休だったが…

    7月20日だった海の日が「7月の第3月曜日」になったのは2003年。連休を増やすために祝日法が改正され、「ハッピーマンデー制度」が導入されたからだ。これにより、海の日は毎年3連休の最終日になった。

    こうした動きに反対し、もともとの「20日」に戻そうという動きがある。それを主導しているのが、超党派の国会議員や海運業界でつくる「海事振興連盟」だ。

    会長は自民党の衛藤征士郎・衆議院議員。安倍晋三首相や麻生太郎副首相、民進党の野田佳彦幹事長らが名誉顧問を務めている団体だ。海の日の制定時も、「国民会議」を主導し、署名運動を展開した。

    連盟では「意義をより周知する」「祝日には日付に意味がある」ことなどを理由に、「第3月曜日」を取りやめ、従来の20日に戻して固定化しようとの動きを進めている。

    衛藤会長は日本財団の笹川陽平会長との対談(2013年)でこう語っている。

    単に連休をつくるためにこういうことになったのは、われわれとしては大変残念なことです。

    2014年には議員立法を試みたこともある。ただ、固定化すると3連休がなくなる年が出てくるため観光業界などが反対。自民党内でも難色を示す議員がいたため、固定化には至らなかった。

    それでも、連盟は諦めていない。早ければこの秋の臨時国会で議員立法を成立させたいと目論んでいるという。読売新聞によると、植村保雄事務局長はこう話している。

    海の日は『3連休の最後にゆっくりする日』になってしまった。海洋国家として、海に感謝する本来の形に戻したい

    観光業界は今回も、「ハッピーマンデー維持」を掲げ、固定化反対の動きを強めている。みなさんは、海の日の固定化に賛成ですか?それとも、反対ですか?