12月14日のオスプレイ事故後、沖縄の米軍トップが「感謝すべき」と発言したとして、非難の声が一気に高まった。
これを朝日新聞は「米軍高官『被害与えず、感謝されるべき』 沖縄副知事に」と速報。NHKや共同通信なども同様の内容を報じた。
なかでも拡散されたのは、ニコルソン四軍調整官の発言は「Should be thankful that there was no damage」であり、「神に感謝すべき」という訳が正しい、という内容だ。
ただ、この発言にはソースがない。沖縄県基地対策課の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、「会談は非公開ですし、なぜ英文が出回っているのか、私どもとしてわからない」と説明した。
県側からは副知事と県の基地防災統括監、通訳の3人が会談に参加した。ただ、ニコルソン四軍調整官の発言を訳したのは、米軍側の通訳だったという。
では、「感謝すべき」という発言があったのは事実なのか。担当者は、「非公開だったため、副知事が報道陣に語った以上のことは県としてもわかりません」としている。
実際、議事録も英文の出どころもないと、朝日新聞那覇総局の公式アカウントも、拡散されている英文の存在を否定している。
なぜこの英文が出てきたのか。どうやら、別のユーザーが「推測」したニコルソン四軍調整官の「発言」がソースのようだ。
ニコルソン四軍調整官は安慶田副知事と面会後、記者会見でこう発言している。「若いパイロットの判断に賞賛を送りたい」
「オスプレイは不安定な飛行になっていたが、嘉手納などに飛んで沖縄の民有地の上空を飛ばないよう、それを避けて、キャンプシュワブに近い浅瀬に着陸しようと判断した」
「私は、若い彼が下した判断に賞賛を送りたい。彼がもっとも難しい状況の中で下した判断に。嘉手納や普天間に戻る経路を取らず、できるだけ沖縄の人たちを守るために、海の近くに向かったのだから」
その後も、「彼は本当によい判断を下した。彼がとった行動は、沖縄の人々を守る行動だった」と、なんども繰り返した。