「がんばっぺ熊本」 いまだ3.11の被害が残る女川町は、人文字に思いを託した

    被災地から被災地へ。

    「がんばっぺ 熊本」。東日本大震災の津波で傷ついた大地に浮かぶ、人文字。

    宮城県女川町が、4月の地震で被害を受けた熊本を応援しようと、ドローンで撮影した動画を公開した

    決して、華やかな人文字ではない。しかし、「熊本地震で被災されたみなさんの心の痛みは、私たちの痛み」というメッセージは、多くの人の心を動かした。

    町民ら150人が参加

    大震災から5年。東日本大震災で町の7割が流失した女川町の中心部では、いまだかさ上げ工事が続く。その現場での撮影に参加したのは、町民や工事関係者、そして役場職員の総勢約150人だ。

    動画は町のホームページに、5月20日に公開された。「熊本を応援するために、みんなでメッセージを送ろう」と、町復興推進課などが中心に企画したという。

    被災した町として

    動画が公開されたホームページには、こんなメッセージも載せられている。

    「同様に被災した町として、嵩上げが進む工事現場から応援メッセージを作成しました。みなさまが現在の苦境を乗り越えていけますことを、心より願っています」

    今回の地震を受け、女川町は、のべ10人の職員を熊本県美里町に派遣。一方の美里町からも、3年前から計3人の応援職員が女川町に派遣されている。人的交流は、続いていた。

    ただの更地ではない

    女川町にはさっそく、熊本県人から「勇気をいただきました」「応援ありがとうございます」と、感謝をつづるメールが届いたという。

    津波という大きな苦難から、ようやく、そして少しずつ立ち上がろうとしている女川町。そこから送られた心温まるメッセージに、Twitterでは、こうして思いを馳せる人もいた

    「この映像の意味わかりますか?
    ただの更地に描いた人文字ではないんです。

    かつて家があった場所
    誰かの故郷であった場所

    想像してみて下さい。
    そこから送る熊本へのメッセージ」