【高校野球】甲子園に行けなかった名門校と、夢敗れた選手たちの涙

    繰り広げられた、波乱万丈のドラマたち。

    甲子園の夏がやってきた。7月31日、全部で49の出場校が出揃った。

    この夏も、地方大会では強豪校が次々と敗退した。甲子園を目指し、そして散った選手たちは、ユニホームを、グローブを、そしてグラウンドを濡らした。

    この夏で休部となるPL学園(大阪)は、初戦で敗退。春夏合わせて37回の出場、7回の優勝経験を誇る名門校は、静かに表舞台から立ち去った。

    昨夏に4強入りしていた早稲田実業は、西東京大会の準々決勝で苦杯をなめた。

    昨夏の覇者・東海大相模(神奈川)は、準々決勝で慶応にコールド負け。3年連続の出場を逃した。

    準優勝だった仙台育英(宮城)は準決勝で敗退。一昨年の覇者で、春夏合わせて5回の優勝を誇る大阪桐蔭は3回戦で、3年前の覇者・浦和学院(埼玉)も4回戦で涙をのんだ。

    選抜勢も同様だ。昨春の優勝校・敦賀気比(福井)は初戦に敗れ、この春に準優勝した高松商(香川)は決勝で敗退。ベスト4入りした龍谷大平安(京都)は4回戦で負け、あと1勝にせまっていた、史上2校目となる甲子園通算100勝はお預けに。

    昨夏の出場校で、大谷翔平(日本ハム)の母校・花巻東(岩手)は初戦で逆転負けを喫した。そのほか、昨夏、今春と連続出場を果たしていた東海大甲府(山梨)、選抜に出場していた青森山田なども、次々と姿を消した。

    一方で、不名誉な「敗退」も。昨夏の佐賀県代表、龍谷高校の部室ではボヤがあり、部員の喫煙が発覚。準決勝への出場を辞退した。

    朝日新聞によると、ボヤのあった7月21日は、試合に出た2人を含む4人が喫煙していたという。徳重清隆校長は翌22日に記者会見を開き、対戦校と参加校、そして「高校野球を応援」している人たちに謝罪した。

    こんな試合もあった。原発事故の影響で今年度で休校が決まっている双葉。3度の甲子園出場経験を持つかつての名門は、連合チームで臨んだ初戦に敗れた。