在日米海軍司令部がテレビ神奈川の報道を「無責任」と”猛批判”

    アメリカ海軍横須賀基地の兵士が、一般の日本人と交流するイベントの中止を報じるニュースだった。

    在日米海軍司令部は4月12日、テレビ神奈川が報じたニュースが誤りであり、「無責任な報道」と批判する内容をFacebookに投稿した。

    ニュースは「日米交流事業が中止 北朝鮮への軍事圧力影響か」との見出しで、前日に報じられていた。

    神奈川県のアメリカ海軍横須賀基地では、一般の日本人が基地の兵士などの関係者と交流するイベントが4月19日に予定されていた。それが中止になったことを伝えるものだった。

    司令部が問題視したのは、イベントを中止した理由だ。

    テレビ神奈川は、応募者への中止連絡までの流れをこう伝えた。

    横須賀市は、司令部からイベント中止の連絡を受けた。だが、その理由について「具体的な言及はなかった」ため、応募者全員に「アメリカ側の都合」として中止連絡をした。

    そして、こう解説を加えた。

    アメリカ海軍は核ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、原子力空母を朝鮮半島に向かわせるなど軍事圧力を強めていて、横須賀基地も緊張が高まっているとみられています。

    これを司令部は、問題視した。「皆様に誤解と不安を招き、誤った情報を与える恐れがあります」と否定し、批判した。

    なぜ米海軍に問い合わせることすらせず、憶測でセンセーショナルに世界情勢と結び付け、無責任な報道をされたのでしょうか?米海軍に事実やコメントを求めることなく、テレビ神奈川がこのような憶測の報道をされたことは非常に残念です。

    テレビ神奈川は、「中止理由」としては表現していない。しかし、見出しには「北朝鮮への軍事圧力影響か」としており、そう受け取られる可能性もある。

    司令部による中止理由

    司令部の説明はこうだ。

    ペンス米副大統領は4月18日から2日間、麻生太郎副総理・財務相との日米経済対話を主な目的として、訪日する。

    滞在中に横須賀基地に停泊している空母「ロナルド・レーガン」を訪問することになっており、「やむなく」19日に予定していたイベントを中止した。

    テレビ神奈川「間違った表現をしていない」

    司令部の批判について、テレビ神奈川の遠藤幹彦報道部長が、BuzzFeed Newsの取材に答えた。

    横須賀市の報道発表資料をもとに、担当記者が市に対して事実確認の取材をした上で報じた。

    米海軍への取材の有無に関しては「答えられない」とした。

    「憶測で、という批判を確認しましたが、原子力空母を向かわせることで軍事圧力を強めているのはまぎれもない事実です。そのことで緊張が高まっていたことも、事実と受け止めています」

    批判はあったが、「訂正する方針はない」として、こう見解を示した。

    「書き方へのご意見もあると思っていますが、そのときの情勢もあったので、間違った表現をしていないと認識しています」