5歳児死亡の神宮外苑火災 白熱電球での火災は頻発、消防庁が警鐘「LEDでも安心できない」

    LEDのほかにも、白熱電球が展示物に

    11月6日午後、東京都新宿区のイベント会場で、木製のジャングルジムのような展示物が燃えて、5歳の幼稚園児の男の子が死亡する事故が起きた。展示物の中では照明として、LED電球と白熱電球が使用されていた。

    白熱電球のそばに、木くずがあれば発火する可能性があるのか。BuzzFeed Newsは、白熱投光器を製造するメーカーに問い合わせた。

    営業担当者は、白熱投光器を使い、白熱電球に直接触れると、やけどをするほど高温になる、とした上でこう説明した。

    「木くずが、白熱投光器のそばにあったら、燃える可能性があることは否定できません。しかし、現場の詳細がわからないので、なんとも言えないところです」

    一方、東京消防庁は、BuzzFeed Newsの取材に「白熱電球、LED問わず、近くに可燃物を置いてはいけない」と警鐘を鳴らした。

    白熱電球から発する熱が直接、可燃物に伝わり、発火する温度に達すれば、火災が発生する。可燃物がそばにあっても同様だ。そのため、木くずに限らず、可燃物が白熱電球のそばにあるのは危険だという。

    「出火を招いた事例が多くありますで、注意を呼びかけています。LEDに関しては、温度が白熱電球よりは低いはずですが、出火する可能性はあると思います」

    東京消防庁は、天井に埋め込んで下を照らす器具「ダウンライト」の熱が原因で、布団や衣類など可燃物が発火し、火災となったケースが2011〜15年で47件起きていると報告している。

    今回のイベントを主催した「TOKYO DESIGN WEEK」の川崎健二社長は、11月6日午後9時すぎ、「貴い5歳のお子様が亡くなられ、ざんきに堪えず、重く受け止めています。申し訳ございませんでした」と謝罪した。

    学生が在籍する日本工業大学の成田健一学長「亡くなった佐伯健仁君に哀悼の意を表し、2人のけがをされた方についても深くおわび申し上げます。大変申し訳ございませんでした」

    成田学長は7日の会見で、大学にすべて責任があると説明した。

    「大学の責任のもとに出展をしたのは間違いがなく、責任はすべて大学にあると考えている。今後の事実確認を踏まえながら、大学として対応していく」

    イベントは11月7日までだったが、6日をもって中止になった。警視庁は、現場に残った白熱電球の燃え方が激しいことから、これが原因で、木くずが出火した可能性があると見て調べている。