「mont-bell(モンベル)」のロゴマークが巫女の袖に きっかけは創業者の私生活だった

    商売繁盛の神様「えべっさん」を祀る大阪の今宮戎神社で、新春恒例の「十日戎」が始まった。Twitterでは、参拝客に奉仕する巫女の”衣装”に注目が集まった。

    大阪市浪速区の今宮戎(いまみやえびす)神社で、1月9日から商売繁盛を祈願する新春行事「十日戎(とおかえびす)」が開かれた 。商売繁盛の神様「えべっさん」を祀っており、烏帽子姿の福娘から「福笹」をもらってご利益を授かろうと、毎年大勢の参拝客が訪れる。

    そんな中、Twitterで、アウトドアメーカー「mont-bell(モンベル)」の衣装を着た巫女がいる、と話題になった。

    えびす娘めっちゃ楽しかった*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

    たしかに、えびす娘が着る作務衣の右袖にはモンベルのロゴマークがしっかりと確認できる。

    作務衣は、モンベルに”特注”していた

    BuzzFeed Newsは、今宮戎神社に問い合わせた。

    神社の担当者によると、モンベルの作務衣を着ているのは、「えびす娘」と呼ばれる約30人の巫女で、5年ほど前から着始めた。

    本殿でメインを飾るのは、福娘。毎年、公募により応募した18歳~23歳の未婚の女性たちから、書類審査や面接などを経て選ばれる。今年は、2908人の応募者の中から、留学生10人を含む50人が福娘になった。

    その選考で最終審査まで勝ち残ったが、惜しくも福娘に選ばれなかった人が、えびす娘になる。

    担当者は、作務衣にモンベルを選んだ理由についてこう話す。

    「昔からお付き合いがあっただけで、特に理由はありません。当時、特注でお願いしました」

    モンベルだから、やはり防寒性に優れているのだろうか。

    「どうなんでしょうか。着ているえびす娘さんから、そういった話は聞いていないですね。昔の作務衣を着た人がいないので、比べられないでしょうし」

    十日戎は3日間で、本殿を華やかに彩る福娘と同様、モンベルの作務衣を着たえびす娘は、11日まで見られた。

    もともと作務衣を発売していたモンベル

    創業者の私生活が生み出した商品だった。

    アウトドアメーカーであるモンベルが、なぜ作務衣を製作したのか。

    担当者の説明はこうだ。

    モンベルの創業者である辰野勇会長は、普段から自宅で作務衣を愛用していた。ある時、モンベルが作ればより良いものができるのではないか、と行動に出た。

    「当時、お遍路で一般的に使用されていた作務衣は綿のものが多く、肌離れの良さと、優れた通気性・吸放湿性・軽量性のある機能的な素材で作ろうと思い立って企画開発したのがきっかけです」

    そして、2006年に作務衣を商品として販売を開始した。全国の神社で特注の作務衣を使っているのは、今宮戎神社のみだという。

    「寒い時期に働かれている巫女さんの衣装として着て頂いていることは、モンベルとしてとても嬉しく思います」