南海電鉄の汐見橋駅(大阪市)で、半世紀以上にわたって利用客に愛されていた「南海沿線観光案内図」。今年3月に廃棄されていた”はず”なのに、10月29日のイベントで切り分けて販売されていた。
これが、切り売りされた案内図だ。廃棄されたはずなのに、本当に切り分けて売られたのか。BuzzFeed Newsは、南海電鉄に問い合わせた。
南海電鉄の広報担当者は「観光案内図を切り売りしました」と回答した。
経緯はこうだ。
3月に撤去した時点で、修復が難しいほどバラバラとなったため、すべて廃棄する計画だった。しかし、「価値を見出してくださる多くの人に見てもらいたい」との思いから計画を変更。損傷が激しい部分は廃棄したが、それ以外の部分は切り分けてイベントで販売した。大きさに応じて、2000〜5000円の価格だった。
案内図が「廃棄された」と思っていた人は多い。産経新聞の取材にどう答えていたのか。
「(産経新聞の取材)当時は『廃棄することにしました』という表現にとどめていましたが、そこで齟齬が発生してしまったのではないかと思います」
「多くの人に見てもらいたい」なら、なぜ展示ではなく販売だったのか。
「そこに関しては、お答えしかねます。観光案内図を特別視しておらず、他の鉄道部品と同様に扱って販売したので、事前案内もしておりませんでした」
切り売りされた案内図が、イベントで完売したかどうかの回答は得られなかった。
南海電鉄を愛するファンたちの手に渡った一片一片は、本物であるのは間違いない。これからは、彼ら彼女らの手元に残り続ける。