夏の甲子園が7日に開幕する。大会前から話題になったのが、女子マネージャーが練習に参加することの是非だ。一連の問題を受け、解禁への議論が始まった。
発端は大分代表の女子マネージャーが練習補助で甲子園のグラウンドに入り、制止された「事件」だ。各メディアも一斉に報道した。
ネット上は女子マネージャーの練習参加を禁じていることに批判的な意見が多かった。
女子マネージャーが練習に参加することは、実は珍しくない。例えば、「JK神ノッカー」と話題になった福井県立羽水高校の古市琴美さん。
「ノックをしてくれて、本当に助かりましたよ」
BuzzFeed Newsの取材に八力昌輝監督が振り返る。
「練習では、あんまり僕にノックをさせてくれなかったね。野球が本当に好きだったんですよ。(指導の手が足りておらず)ノックをしてくれて、本当に助かりました」
ところが、公式戦で女子ノッカーが認められなくなった
しかし、公式戦の守備練習でバットを振れたのは昨年まで。福井県高校野球連盟が、春の県大会から公式戦での女子のノックを禁止したからだ。
今夏の福井大会は、グラウンドに立つことがないまま記録員でベンチに座り、初戦敗退。「女子も男子もグラウンドに立てば、危険には変わりはない。できることなら最後までノックをさせてあげられれば良かったけど」と八力監督。
規定は「選手以外はグラウンドに立てない」
ルールが変わったのはなぜか。福井県高野連が、BuzzFeed Newsに答えた。
「女子をノッカーとして起用するのは、そもそも認められていないと発覚したんです。日本高野連が元から決めていた『選手は男子』という規定に準じただけです」
日本高野連の規定によると、選手になる資格がある男子以外は、試合中にグラウンドに立てない。試合前の練習も”試合”に含まれるといい、そのため、ノッカーも男子しかできないことになる。
「これまで、間違って許可してしまっていただけだった。県高野連で話し合い、認めないことにした」
日本高野連は「想定していなかった」
「ほんと簡単なんだよ」
一連の問題に対し、高校野球の取材を長年に渡り続けるノンフィクションライターの神田憲行さんはこうツイートしている。
実は、許可した高野連もある
事務局長「検討したい」
毎日新聞によると、練習参加を禁止することに批判的な意見が相次いだことで、日本高野連の竹中雅彦事務局長は「安全性を確保できれば認めてもいいのではないかという意見が出れば、検討したい」と話したという。
古市さんのような女子マネージャーの「神スイング」を甲子園で見られる日も、来るかもしれない。