絶滅に危機に瀕している動物たちが、人間を相手に裁判をする!
そんなまさかの法廷バトルを通して、さまざまな動物たちがどうして苦しい生活に追いやられたのかを教えてくれる本がある。書店の児童書コーナーに置いてあるこれだ。
著者は、大渕希郷さん。上野動物園・両生爬虫類館の飼育展示員、日本科学未来館の科学コミュニケーターを経て、現在は京都大学・野生動物研究センターの特定助教だけでなく、日本モンキーセンターのキュレーターも務めている。
動物園や水族館で見ることができるライオンやホッキョクグマ、ラッコだって、実は絶滅危惧種なのだ。
愛くるしい彼らが、人間を訴えるだと?さすが「もしも?の図鑑」である。斬新なアイディアに一気に引き込まれ、本を取ってすぐにレジへと向かった。
動物(原告)vs 人間(被告)のバトルは4つのテーマ
動物たちが人間に対してどんな思いを抱いているかは、誰にも分かりません。だから、この本の動物のセリフは、科学データを参考に想像したものです。そして神様のセリフは私の想いです。
本の一部を見ていきたい。
キタシロサイ vs 人間!
あなたのペットも実は絶滅危惧種?
「故郷と自立をめぐる裁判」がテーマの章では、ペットショップで売られる身近な動物が、人間の手によって繁殖されて大量にいるものの、野生では絶滅の危機に追いやられていることがわかる。
かつて私(記者)が飼っていたある動物が、絶滅危惧種に指定され、シリア内戦によって住処を追われているのをこの本で初めて知り、驚いた。どんな動物がいるかは、本を読んで確認してもらいたい。
大人も「ハッ!」とさせられるだろう視点
かわいそうだから?苦しそうだから?いいえ、結局は人間のためなのです。
子どもに読み聞かせながら、親もきっと学べる一冊だ。こっそり読んでから、動物園に子どもと一緒に行って、命の大切さを教えてあげるのもいいかもしれない。
サムネイル:実業之日本社 / Kensuke Seya / BuzzFeed