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【リオ五輪・閉会式】「安倍マリオ」が話題 でも、ポケモンが登場しなかったのはなぜ?

「マリオに比べると…」

リオ五輪の閉会式で披露された東京のショーが話題だ。

日本を代表するオリンピアンと、アニメやゲームのキャラクター、マリオに扮した安倍晋三首相が登場する映像が特に注目を浴びている。

BuzzFeed Newsは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に、企画の意図を聞いた。

日本のカルチャーを世界へ

ーーショーの意図、キャラクターの選定基準を教えてください。

閉会式で披露したショーは、日本、東京をプレゼンテーションする役割を担っています。全世界の共通認識として、日本や東京の持つ強いコンテンツの一つが、アニメやゲーム、マンガです。

そこで、2020年への準備が始まり街が盛り上がっていることとともに、日本を代表する文化の一つであるアニメやゲーム、マンガを世界に広く紹介したいと考えました。

映像には、キャプテン翼、パックマン、ドラえもん、ハローキティ、スーパーマリオが登場します。

キャラクターは、日本だけではなく、世界で広く知られているキャラクターであること。そして、ショーの演出内容に合致したキャラクターが、それぞれの役割を担うことを前提として選びました。

たとえば、キャプテン翼は、いま世界で活躍しているサッカー選手も読んだことのある、大きな影響を与えているスポーツマンガです。またパックマンは、1980年に発売されて以来、世界で愛されているゲームです。

ーーいま話題の「ポケモン」が登場しなかったのが気になりました。

確かに「ポケモンGO」の流行で、世界的に盛り上がっています。

しかし、我々がショーの検討チームを立ち上げたのは2016年1月のこと。そのタイミングで、日本や東京の文化をどう発信するかを考えました。

今回起用したスーパーマリオは、主役として登場するゲームソフトの累計販売本数が全世界で3億2000万本を超えています。それに比べると、ポケモンの世界での知名度は低いと判断し、また演出上の役割も検討した上で、今回は登場させないことになりました。

(編集部注:株式会社ポケモンによれば、ポケモンシリーズの世界累計販売本数は、2016年2月末時点で2億本)

ーー2020年のショーも、同じ方向性のショーを検討しているのでしょうか。

現段階においては、まだ何も決まっていません。2017〜2018年に演出チームを編成して、検討を開始する予定です。

音楽総監督・椎名林檎さんはこう振り返る

ショーの音楽は、音楽家の椎名林檎さんと中田ヤスタカさん、作曲家の三宅純さん、トロンボーン奏者で作編曲家の村田陽一さんが担当。椎名さんが音楽総監督を務めた。

椎名さんは、今回のショーをこう振り返る。

「化粧/衣裳、美術/技術、映像/音楽、これらが見せた偶然のバランスは、(Perfumeの振り付けなどで知られる、総合演出と演舞振付を担当した)MIKIKO先生方のパフォーマンスの都合いかんで全員があれこれ頓知を利かせた結果です」

「(MIKIKOさんの)感覚がすでに答えになっている…つまり今のリアルな東京であり、昔ながらの江戸前を説明する結果になっていると感じました。ですので私は、その軽妙洒脱なストリート感覚を持つ音楽家たちにいつも通りの仕事をしてもらった次第です」